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猫の憂鬱
第3章
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司の変態加減をはっきり知った龍太郎は目元を隠し、美麗の額を舐める其の行為を見ないようにした。
「なあ、もう帰って良い?」
「何盗んだ。」
「何も盗んで無いって。」
「何で彼奴にしょっ引かれてた。」
「学校行ってないから。」
「行けよ。学費高いのに。専門だろう、サボったら一発でアウトだぞ。」
「内容詰まんないもん。」
「御前がプログラミングの学校行きたいって云ったんだぞ。」
「あんな幼稚な内容だと思わなかったんだもん!」
そらなぁ、と課長は腕を離し、取調室を出ると三課への内線を押し、引き取りに来て貰った。
「全く御前は、余り困らせるんじゃない。此の方も忙しいんだ。」
「へーい、へい。」
引き取りに来た宗廣も、一七八センチとまあまあ身長は高い方であるが、美麗の頭は並んで居る。
「ほらいらっしゃい、俺も忙しいんだ。御前みたいな窃盗犯が多くて。」
「もう、何も盗んでないだろう!?」
「俺の車の鍵、何処やった。プリウスのだ。本体も見当たらない。」
「ん?何の事?」
すっとぼける美麗に課長は額を押さえ、出せ、と指を動かした。
「クラウンじゃないだけ、有難く思ってよ。」
何処に鍵を隠し持って居るのか、尻ポケットに手を突っ込むような動作で美麗はスカートの下に手を突っ込み、其処から鍵を出した。
形の良い臀部がぷりんと現れ、なんとショーツはTバックである。誠眼福有難う御座います美麗様、と井上を筆頭に若い刑事が一斉に柏手を打ち、拝み倒した。
生暖かい鍵を受け取った宗廣は顔面を引き攣らせ、何処に仕込んでたんだ?と聞いた。
「秘密。」
「本体は…?」
「其れは探して。あの大きさは我の乳でも隠せないから。」
「プリウスだったから良かったもの…」
「本当はフーガの鍵探してたんだ。でも見付からなかったから、プリウスにした。クラウンは流石に、大ちゃん出勤で使うし、可哀想だと思って。」
「此の方の所有物に手を出すんじゃい…!」
「良いじゃん、如何せ乗ってないんだから。無駄だよ、無駄。何で持ってんの?」
最もである。
課長と云えばバイク、そう思うだけに、車のイメージは無かった。色は想像出来るが。然もフーガ、屹度純白、実物を見た事無いが、想像すると似合い過ぎて洒落にならない。加納のベンツより似合う。
実際課長が車を運転しているのを木島ですら見た事がなく、車所か免許を持っている事に驚いた。持っていないと思っていたのだ、全員。
雨の日だって、宗廣の車で出勤する癖に。
美麗の言う通り、本当に無駄である、バイクも三台、無駄に持っている癖に。
「なんだ、あのフーガ欲しいのか?」
ポケットからキーリングを出した課長は、五本ある内の一本…フーガの鍵を外した。
「え、くれんの?頂戴頂戴。」
猫が玩具に飛びつくように美麗は両腕を伸ばし、其の
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