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魔法少女リリカルなのは 変わりゆく運命
始まりの時
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破るーーー

言葉にすれば簡単だが、やろうとすればまるで違う。
一つの砲撃を放つのでさえそれなりの時間を要するもの。それぞれ別個に狙いを定め、魔力を収束し、放出する。単純に三倍どころの時間では済まされないのだ。だというのに、それを後追いでやってのけたのだ。
もちろん相手が万全ではなかったのもあるだろうが、やろうとしてできるものではない。


「本当、クロ助が可哀想だねぇ…」
「ほら、ロッテ!そんなこと言ってないで、後始末をしましょう」


はいはい、分かりましたよ〜。アリアは堅いね〜




その言葉を最後に、二人の姿は消えていた。撃墜された男達と共にーーー










簡素な机と実務に必要なもののみのが置かれた部屋は、見た目よりも更に部屋を大きく見せていた。

「ご苦労だったね」

ここの主であろう男が労うようにそう言った。

彼はギル・グレアム。すでに現役を引退しているものの、衰えることのない魔力は流石の一言だ。

「いえ、いつも通りですから」

そしてもう一人、死神と言われた者がここにいた。しかし、こうしてみるとよく分かるが……


「ふふ、ちゃんと食事を取っているかい?大きくなれないぞ」
「………少々、デリカシーに欠けませんか?これでも女の端くれですので」


グレアムの言う通り、死神は本当に小さい。グレアムに上背があるとはいえ、座っていてもほぼ同じところに目線があるのだからその小ささが分かるだろう。


「さて、と。戯れはこのくらいにしておこうか」

途端にグレアムの纏う空気が変わる。先程までの孫と接するような朗らかさは消えて、提督としての威厳に満ちていた。敏感にその変化を察知した死神も、その佇まいを正す。

「サラ・ディアノーチェ三等空尉、君には地球のある少女の護衛をして貰う」

提督から直接の任務というのはこれまでにも何度かあった。しかし、今回のような護衛任務はなかっただけに僅かに違和感を感じていた。ましてや地球という魔法文化ゼロの星で、だ。何かあると疑うのが普通だろう。


「何か不測の事態があった時は我々の指示を仰ぐ必要はない。そちらで自由に判断してくれ。後は…その子の願いは出来うる範囲で叶えてやってくれないか?」

それに、判断を任せるだなんてことがあるのだろうか?
願いは叶えてやれって、どういうことだろう?

疑念は尽きることがない。しかし、断る理由はなかった。上司であり、恩人であるグレアムの命令は、絶対なのだから。


「分かりました。ところで、その少女の名前は?」
「ん?あぁ、すまないね。悪れていたよ」

そう言って笑う姿はいつもの朗らかな雰囲気に戻っていた。しかし、その顔が悲しそうに見えたの
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