暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 変わりゆく運命
始まりの時
[1/3]

前書き [1] 最後
太陽が顔を隠し、月が照らす真夜中の街並みは不気味なほどひっそりしていた。
酒の町として有名で、夜な夜な騒ぎ声の絶えないこの街が、である。



「はぁ、はぁ、はぁ!ふざけんな…何が簡単な仕事だ!」

その街の空で、一人の男が悪態をついていた。……いや、一人ではない。この男の他にも二人の男が姿を見せていた。だが、その二人には悪態を吐くほどの体力は残されていなかった。三人とも展開していたバリアジャケットはボロボロで、見るも無残な姿をしていた。

「クソ!こんなとこで『死神』に出会うとは……!」

この男のいう死神という存在。これは彼らのような犯罪者の間では有名だ。曰く、一度発見されれば振り切ることは不可能で、確実に捕縛されると。曰く、奇妙な仮面をつけていると……

有る事無い事、様々な噂が行き交う中でもこの死神が強大な力を持っていることは確かだった。
しかし、そんなことは分かっていた。分かっていたのに、その力を過小評価していた。彼らはニアSランク魔導師、管理局でも数%の希少な存在である。その力に絶対の自信を持っていたし、三人ならばSランク魔導師にも負けない自信があったし自負もしていた。





だというのに、蓋を開けてみればこのザマだ。たった一人の、あんなチビにーーーー




「……そろそろ終わらせる」

抑揚のない、不気味な声がすぐ真後ろから聞こえてくる。仮面をつけた、小柄な人影。油断なんて微塵もなかった。だというのにーーー


考えている暇などなかった。悪態をついた男も、限界を迎えていた男達も必死に飛び退いた。ほぼ無意識での行動であったが、その選択は正解だった。




ドゴォォォォォンッ!

振り下ろされた拳がいとも容易く地面を砕いていた。非殺傷設定だろうと痛いものは痛い。あんなものを喰らえば尚更だろう。
彼らとしても捕まるつもりはない。例え、殺すことになろうとも。咄嗟に演唱を開始し、彼らの前には円形の魔法陣が展開される。


「…死ね!」

怒号とともに放たれた三つの砲撃は、どれも必殺の威力を持っていた。殺傷設定のそれは当たればひとたまりもないだろう。回避できるタイミングではないし、障壁だって無意味。彼らは勝ったつもりでいた。



そう、勝ったつもりでいた。







「甘い」

その一言と共に放たれた三つの砲撃が、彼らの砲撃ごと飲み込んだ瞬間までは。

















「相変わらず、無茶苦茶なやつだね〜」

猫の耳と尻尾を持った女性が茶化すようにそう言うと、もう一人の同じような女性にたしなめられていた。
しかし、無理もないだろう。ニアSランク魔導師の砲撃を三つとも砲撃で打ち
前書き [1] 最後


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ