第2部
第2話 戦艦三笠、着任
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
絨毯の敷き詰められた階段を登った。
???
「…ってことがあった訳だ」
「ほほぅ、なるほどなぁ〜」
「あらあら♪」
提督執務室に入ると、丁度両親が執務に精を出していた。
両親も丁度休憩を挟む所だったこともあり、緑茶を頂くことになった。
未だ蝉が鳴き続ける鎮守府内には、一時の沈黙が流れていた。
丁度お昼時なので、緊急対応組の艦娘以外は全員食堂でお昼を頂いている時間だ。
「……っていうかあれ誰だよ親父。
不倫相手か?」
「んな訳あるか、俺は鳳翔さえ居れば充分だ」
「もう、あなたってば……///」
昼間から夫婦円満で暑苦しい事この上無いが、仲が良いのは良い事であるのは重々承知している為、口には出さない。
「……さて、実は大本営からお前の艦隊へ転属する艦の事で話がある」
「ん? ……ああ、あの話か。
でも大和達がもう居るけど良いのか?」
「天皇陛下直々の命令だ、こっちは従うほか無いさ。
それにもう来てもらってるしな」
「随分用意周到だな」
「……お入り下さい」
「失礼します」
「…ぶッふぉッ??」
「あっちゃちちッ??」
「あらあらあら♪」
飲んでいたお茶を勢い余って親父に噴きかける。
何故なら、扉から現れたのは、先程まで一緒にいた女性だったからだ。
海軍の二種軍衣を羽織り、腰には装飾の施された軍刀。
将官用の帽子の下には、あの流れるように煌びやかな金髪が伸びていた。
「何すんだよ一葉ッ??」
「それよりこの状況を説明しろ親父ッ??」
今にも取っ組み合いを始めそうな勢いに、鳳翔と女性はクスクスと笑っている。
「……改めまして、本日付でエインヘリアル艦隊へ転属となりました。
敷島型4番艦、戦艦三笠です。
久しぶりね、一葉」
「は、はい?」
「おいおい、三笠さんはお前の名付け親≠セぞ?
それに産まれたばかりのお前の乳母役≠烽オて頂いたんだ。
忘れるとか無いぞお前」
「は…はああ??」
「もう一葉に逢いたくてうずうずしてたんだから♪
正門前で会った時、定晴君に瓜二つでびっくりしたわ〜。
なかなか乳離れしなかったあの一葉がこんなに逞しくなるなんて…お姉さん嬉しいわ〜〜♪」
「ちょ……ま……」
「それにさっき私の下着を盗み見てたし……やっぱり男の子ね?」
「ほ〜〜ぅ……」
「あらあら♪」
「誤解だッ?? 不慮の事故だッ??」
全力で否定するも、親父はニヤニヤと笑っていた。
ムカついたので装備開発で出来た綿のような何かを投げ付けた。
「もうお姉さんお嫁に行けないわ……一葉が婿に来てくれないと駄目かも知れない……」
「そりゃいい、良かったな一葉、こんないい嫁さんが持てて」
「祝宴は何時にしましょうか、定晴君」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ