第2部
第2話 戦艦三笠、着任
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「あっちぃ……」
ラトロワに黙って帰投中に日光浴に興じていたのがばれた俺は、一緒に働く武、響、ユウヤと共に鎮守府の清掃に精を出していた。
「本当に暑いっすね……」
「あ〜〜、怠い……」
「白銀、ブリッジス、手を止めるな……。
仕事が終わらないだろ……」
日頃から姉達……鹿島鎮守府の艦娘達が当番で清掃している為、余り雑草などは無いが、何事も完璧に遣らなければならないのが軍人だ。
見落としがないか、刈り残しがないかを隅々まで探る。
「失礼ですが、この鎮守府の方ですか?」
「へ?」
そろそろ切り上げようか、という時に不意に声を掛けられ、瞬時に振りかえる。
そこに立っていたのは、純白のワンピースと帽子を被った女性。
金髪碧眼を見るに、恐らく外国人……イギリス辺りか。
歳は20くらいで、整った顔立ちに陶器のような白い肌を持ち、長い金髪を三つ編みにしている。
まるでファッションモデルのようなスレンダーな体型をしている。
「……えっ、定晴君?」
「は? ……え、えっと、お、親父のお知り合いの方ですか?」
前屈みで此方の顔を覗き込む女性がキョトンとした顔を浮かべる。
女性は、はっと一瞬驚き、嬉しそうに柔かな微笑みを浮かべる。
俺はと言えば、女性のワンピースから溢れんばかりに自己主張するたわわに実った豊満な胸の谷間が目に入り、慌てて視線を逸らした。
「あ、提督がデレてる」
「仕事しろよなぁ〜〜提督〜」
「いいから2人共手動かせよッ??」
「う、うるせえッ??」
武達が騒ぎ出す。
それを罵倒しながら立ち上がる。
「も、申し訳ありませんが、神宮司提督は現在鎮守府運営の会議中です。
事前のアポイントメントが無ければ、鎮守府への進入は許可出来ません」
「それならば御心配なく、許可は定晴君……じゃなくて、神宮司提督から頂いてますよ」
女性が肩から下げた白いバッグから一枚の紙を取り出した。
紙には入府許可証と書かれており、親父の達筆なサインが書かれている。
「……失礼致しました??
ようこそ、鹿島鎮守府へッ??」
「はい、此方こそお邪魔して申し訳ありません」
「いえ、この様な格好でお出迎えして申し訳ない……」
「そう畏まらないで下さい、連絡も無く突然出向いたのは私なのですから。
……ところで、もし宜しければ…お名前をお聞かせ願えますか?」
人懐こい笑顔を浮かべながら、女性は髪を掻き揚げた。
「は、はぁ……地球連邦宇宙軍、第8軌道艦隊麾下、特別即応艦隊エインヘリアルの艦隊司令をしております、神宮司一葉准将であります」
「まぁ、やっぱりッ??」
「え?」
「あ、いえ、なんでもありません…ふふ」
女性は名前を聞くとパァッと今まで以上に嬉しそ
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