第32話 第四次グリニア星域会戦
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けた。
銀河帝国は、攻勢に強いハルバーシュタット、ホフマイスター両艦隊30000隻を先頭にルフェール軍へと攻め寄せる。
「敵旗艦の艦形確認。シュトルム・ティーゲルにヘルゴラント……ハルバーシュタット艦隊とホフマイスター艦隊です!」
「なるほど、共に攻勢に強い指揮官だな………第一、第二、第十四、第十五の4個艦隊を翼形に展開して敵の攻撃を受け止めさせろ。間違っても単独で当たらせるなよ」
ルフェール軍宇宙艦隊司令長官マイト・アルベイン元帥はそう指示を出しつつも、心の中で考える。
「(それにしても、これは完全に意表を突かれたな。あの2艦隊は戦略予備として戦局を決定づける場面まで使用してこないと思っていたが……ままならんものだ。おかげで初手から防戦一方になったが、別動隊が敵の後背を突けば攻勢に転じることも可能だろう。下手に打って出て作戦全体が崩れるより遥かにマシだ。ここで何とか敵にそれなりの打撃を与えることができれば、当座は凌げる。凌げば………凌いでどうするのだ?)」
脳裏に、ある疑問が浮かび上がる。
「(凌いだところで、銀河帝国が圧倒的に有利な状況は変わらない。しかも、ロアキアと辺境を掌握した際には更にその差は開いてしまうだろう。ルフェールが生き残るには勝ち続けるしかない。だが、勝ち続けられるのか? そんなことは不可能だ! ならば、今ここを凌いだとして、その先に何がある? 何が待っている?)」
今まで蓄積されていた疑問が次々と、間断なく浮かび出していく。
と、そこへ
「閣下……閣下!」
思考の渦に耽っていたアルベインは、総参謀長であるエルマン・ガーディ大将の声によって我を取り戻した。
「ん、どうした?」
「そろそろ、別動隊が敵の後背に出る頃です」
「そうか……ここが正念場だな」
3時54分。
小惑星帯を隠れ蓑に帝国軍の後背に出た第四、第六艦隊が攻撃を開始する。
それを見たミッターマイヤーは、感嘆の声を上げた。
「ほぉ……小惑星帯を迂回してきたか。数において劣勢な中、あれだけの別動隊を組織するこの大胆な作戦。敵の指揮官は中々やり手だな」
「閣下、如何しますか?」
「後背に関してはザウケンとグローテヴォールに任せれば問題は無いだろう。両艦隊とも数で敵を上回っているし、少なくとも今すぐ突破されるような事態にはならないハズだ」
「はっ」
「しかし、ふむ………よし、今度はこちらから仕掛けるとしよう」
「はっ?」
副官が怪訝な声を返す。
「この艦隊を急進させ、敵左翼部隊に攻撃を加える。幸い、敵は別動隊にそれなりの兵力を裂いているため本陣が手薄だ。あの前衛部隊さえ突破すれば、こちらの勝利は目の前だ」
「ですが、その間の全軍
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