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猫の憂鬱
第1章
―3―
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だから、と引き返した。
擦れ違う全員が課長から放出される修羅の殺気に道を開け、モーゼの海割みたいである。
ばん、と一課のドアーが開き、三十分前以上に怒りを孕んだ課長に全員凍り付いた。ガツガツと靴が鳴り、木島は頭を叩かれた。
「又八つ当たりする…」
「嗚呼?」
「いいえ、何も云ってませんよ。」
するりと長い指先でデスクを撫で、窓に触れた課長は無言で開けた。
「腹が立つなぁ。」
んふ、んふふ、と課長は肩を揺らし、窓枠を掴むと外に向かって叫んだ。
「クソ…ッタレ目が!死んでしまえ!御前なんか!バイクで盛大に死ね!」
唖然とする皆を他所に、あはは、クソッタレと垂れ目が掛かってるぅ、と宗一の垂れ目を知る木島はゲラゲラ笑った。
「あー、スッキリした。」
晴々とした顔で向く課長だが、瞬間内線が鳴り響き、発信先は署長室だった。
「ねえ、煩いよ?今何時だと思ってるの?」
「申し訳御座いません…、午後二時十三分です…」
ばん、とドアーが開き、今のはなんですか?と捜査三課の課長が蒼白した顔で現れ、しっかりと聞こえた鑑識メンバーは俺達やっぱり首になるのかな?と身を案じた。
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