横浜騒乱編
第27話 可能性
[1/6]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
しばらくは、ヘリの中で達也が味わう苦痛や、深雪がそのことに心を痛めているのを感じ取った沈黙が続くかと思われたが、美月が発した「あっ!?」っという叫びにたいして、深雪は沈黙を破らせようとしているかのように
「美月、どうしたの?」
「えっと、ベイヒルズタワーの辺りで、野獣のようなオーラが観えた気がして」
幹比古が呪符で確認して「敵襲!?」と驚愕の声をあげたり、エリカと千代田先輩が幹比古に問いかけたりしたなか
「少人数による背後からの奇襲です。恐ろしい呪力を感じます。戻りましょう。協会が危ない」
僕は美月が声を出したのでプシオンのサーチをしていたが
「このオーラの感じなら、一番強いのがリユウカンフウだと思います。ただし、サイオン量がはねあがっているから、鋼気功専用の武具を身に着けているんじゃないかと思います」
「リユウカンフウ!?」
「エリカ、知っているのか?」
「強敵よ」
「へぇ」
「この前の火曜日なら、2人だけでも勝てたと思うけど、多分もう少し人数が必要だと思うよ」
暗に僕も混ぜろと言っているのだが、なんとか、僕自身の神経的な恐怖感を振り払ったと思う。エリカとレオと僕の発言を聞いていた渡辺先輩には頭痛が発生しているようだ。
その間に七草先輩へ、前方の副操縦士から
「真由美お嬢様。魔法協会より十師族共通回線へ緊急通信が入っています」
「貸してください」
七草先輩がレシーバを耳に当てて状況を聞いたようで、
「名倉さん、協会にヘリを向けて!」
ここで、名倉という苗字で『魂眼』の名倉あかりを思い出したが、彼女は裏賀茂の術でプシオンをごまかしているのと、年齢差から関係あるとしても祖父にあたるのなら、プシオンの特徴を確認しても、類似性を見つけるのは困難だろうと思い、プシオンの特徴を記憶するのはやめた。
ヘリは協会へ向かい、ヘリポートについたところで、深雪が敵に向かってCADを操作しようとしたのを止められたが、僕はシルバー・ホーンを遠方の敵に向けながら
「とりあえず、リユウカンフウだけでも足止めしてもかまいませんか?」
「なにをする気だ?」
「灼熱地獄『ムスペルスヘイム』を……」
「それこそ、危険じゃないの!」
続く言葉は「小規模にしてリユウカンフウだけに」だったので、多少の不満はあったが従うことにした。
七草先輩からは、協会支部に移動しながら続く方針として、協会支部を護るチームとしては深雪、桐原先輩、壬生先輩、美月で、五十里先輩、千代田先輩、幹比古にはリユウカンフウ以外を相手にしてもらい、リユウカンフウには七草先輩、渡辺先輩、レオ、エリカに僕があたることになった。
それで、リユウカンフウを相手するチームにまわっ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ