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僕の周りには変わり種が多い
横浜騒乱編
第27話 可能性
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すると、当然のことながら拳から上腕にかけての筋肉は細かく切断される部分がでてくるのと、全身の筋肉は一時的な硬直状態となって自由に動けない。ここからは再度魔法で、この瞬間のためにあらかじめ、自分自身のサイオン情報体をフルコピーしてサイオン次元に待機させておいたサイオン情報体を自分にもどし、筋肉の細かい切断を戻し、と肉の硬直状態を短時間とさせる。そして、後ろにある『纏衣の逃げ水』の幻術と隠れた本体と一致させて後退しながら、自身の幻覚を消す。

サイオン情報体のフルコピーは『纏衣の人形』を行なうための準備に必要なものだ。『纏衣の逃げ水』でのこしておいた幻術に、フルコピーしたサイオン情報体を結んで、本物のように動かすのが『纏衣の人形』の正体。

そして、ほんの少し後ろ向きに倒れようとしているリユウにかけたのは、再度肉体のリミッター解き放ち、技のおこりを見せない技法である無拍子からの腕をとった関節投げだが、通常と異なるのはこの投げの時点で腕を折ってしまう。そこから頭を真下にたたきつけるように落としつつ、軸足とは反対で硬気功をつかった蹴りを顔面にいれながら、手を手前に引くという殺し業の『落雷』。

宮本武蔵が生涯で一度、勝てなかった――引き分けであるという伝承も残ってはいるが、その相手が使っていた技。そういう技を円明流合気術の前身である円明流剣術の無手を中心とする古式魔法師が、磨き上げつつ、他の流派の技と組み合わせしなおしたものだ。

これを魔法無しでできれば6段なんだけど、できないから魔法でおぎなっているんだよなぁ。



これを見ていた七草先輩と渡辺先輩だが、渡辺先輩からは

「どうやったのかはわからなかったが、今倒れそうに見えていた。ここまでする必要はあったのか?」

「戦場では死んだふりをするのがいるんですよね? 桐原先輩や五十里先輩の時のようなことになるのは嫌ですから」

「……そうだな」

重そうな雰囲気をきりかえるために、

「それと、協会の地下に入り込んだ敵は、深雪さんが阻止したようですね」

「えー?」

「気が付いていなかったんですか?」

『マルチスコープ』を使って協会の地下を見たらしい七草先輩はほっとしていた。

それに幹比古たちのチームも全員無事にきていて、倒れていたレオや、チームとして勝ったことよりも、自分が負けたことを悔やんで言ったエリカなんてものはあったが、協会支部にもどった僕らが受けたのは、敵が撤退したという情報だった。



11月5日の土曜日の朝。
論文コンペの会場で襲撃が終わってから、初めての土曜日で、久々に九重寺の朝稽古で乱取りを終わらせたところだ。

「今日は、やけにきびしい技をつかっていたねぇ」

「この前の日曜日。協会で覗き見だけで、手助けしてく
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