第2章
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と、召喚の構え!」
「プリチー、召喚であります!」
ヘンリーをリンチしていた四人組は一通り歌うと、四人全員が違う妖怪を召喚した。好きにすれば良いさ、とヘンリーの頭からは子供の事等消え、課長の視姦を続けた。
拓也は、ヘンリーが無視するのを良い事に段々と荒くなる四人組の元に行き、柳生は一人一人を見て回った。
本郷はぼうっとそんな光景を眺めた。
「本郷さんは、子供好きなんですか?」
此の施設は小規模を基準にするので、建物も小さく職員も三人と少ないので定員が十五人、今は十人しか居ない。其処に大人が本郷含め五人増えたので、三人の職員は暇である。
そんな暇な職員が、子供に触れる事も話し掛ける事もしない本郷に話し掛けた。
「興味無いです。」
「やっぱり…」
「遊んでって云われたら遊びますが、自らは行かないですね。扱いが判らないので。」
其処に、拓也が相手していた女の子が足にしがみ付き、じっと本郷を見上げた。
「抱っこして。」
渋々本郷は抱き上げたが、数秒で下ろし、拓也の所行って、と払った。
「やっぱり嫌いじゃないですか…」
「此れを嫌いって云われるなら、嫌いでしょうね。」
拓也に付いて来ただけでも子供嫌いでは無いと本郷は思う。正統な子供嫌い…木島や加納だと表情歪め、誰が行くかあんな悍ましい場所、と此処には居ない。加納の子供嫌いは筋金入りで、子供が自分に触ろうものなら手で振り払い、触るな汚物、と吐き捨てる。木島の子供嫌いの度合いは、話し掛けられても無視をする、抱っこをしてもあからさまな表情で腕を伸ばし抱っこする(抱っこと云うより荷物を持ち上げている感じ)だけである。
唯加納は、子供嫌いだが動物が好き、木島は子供も嫌いであれば動物も嫌い、好きなのは自分だけ、である。
だから、誰が一番薄情かと云えば木島で、尤も、あんな邪悪な男に子供も動物も好き好んで近付きはしないだろうが。女とて寄って来ないのだから。
本郷は何とも思わない、動物だろうが子供だろうが女だろうが、自分に危害さえ加えなければ存在を認めた。
拓也は一方で動物が本当に駄目である。何が可愛いのか判らないのだ。動物は食べるものであって愛でるものでは無いと。
両方好きなのが課長とヘンリーだ。特に大型犬が好きで堪らない。課長の家には現役退いたシェパードが二匹居り、ヘンリーの家にはドーベルマンとダルメシアンが居る。
男と子供と大型犬が好き、此処迄共通点があるのだから、もう付き合ってしまえば良いのに、と思うが、残念乍ら課長は既婚者である。
CDの音源とは違う音色、課長の設定したアラームで、確認した課長は真由美の頭を撫でた。
「又遊ぼうな。」
其れが何時かは判らないけど。
真由美から笑顔が消え、然し又笑うと職員に腕を伸ばした。職員に抱かれた真由美は一時も課長から目を離さず、子供って我
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