暁 〜小説投稿サイト〜
Holly Night
第1章・一年前
―9―
[3/3]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
出来ないんだ。俺迄否定したら如何なる。本業なら判ってらっしゃるでしょう、世界が崩壊した、先にあるものが。」
「僕は何も、否定はして居ません。」
本郷の三白眼と菅原の黒目を主張する目が、宙で歪な空間を作り上げた。
古い建物を、現状の侭果てるのを待つか、補正して保つのかの違い。
「本当に、良いと思ってるんですか?」
「拓也が生きてら、何でも良い。」
例え脳死状態でも。
本郷の鋭い目に菅原は頷き、出過ぎました、と拓也の事を書いた紙を捨てた。
「うるせぇんだけど…」
むっくりと起き上がった拓也は頭を抱え、数回振った。
「ぼーぉっとすんだけど…」
「嗚呼、安定剤ですよ。暫くしたら戻りますよ。」
「おー、御前、未だ居るのか。節子と行ったんじゃねぇの。」
頭を撫でられた少女はきゃふきゃふ笑い、ノートを見せた。
――お早う――
笑ったが、目眩に拓也は又ソファに倒れた。
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ