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僕の周りには変わり種が多い
横浜騒乱編
第26話 治療の魔法の真実
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、渡辺先輩がぶち壊してしまった。七草先輩はそれで

「摩利! 他人の術式を詮索するのはマナー違反よ!」

「気になさるのは当然だと思います。皆さんに打ち明けるだけならお兄様も許してくださるでしょう」

深雪の言葉に、僕も含めて皆が他言しないという中、七草先輩は

「今から聴くことの一切を秘密とします。それは名倉さんたちも同様です」

「いえ、そこまで大げさなことではりませんが……」

まあ、ここにはいないが、十師族の会議に出るメンバーなら、この魔法の噂ぐらいは耳にしているだろうな。
そこから深雪が説明しだしたのは、

魔法の固有名称は『再成』。
エイドスの変更履歴を最大で24時間遡り、外的な要因により損傷を受ける前のエイドスをフルコピーして、現在のエイドスに上書きする魔法。
上書きされた対象は、上書きされた情報に従い、損傷を受ける前の状態に復元される。

聞いたことで、過去をさぐるのに、エイドスの変更履歴を遡るというのが、達也の過去視の方法なのか。こうなると才能の問題だろう。それぐらいに思っていた。

そのあとの他の人物から質問などで、

「この魔法のせいで、お兄様は他の魔法を自由に使うことができません。魔法領域をこの神のごとき魔法に占有されている所為で、他の魔法を使う余裕が無いのです」

「……それで、達也くんはあんなにアンバランスなのね」

「ああ……それほど高度な魔法が待機していては、他の魔法が阻害されても確かに不思議はない」

渡辺先輩や他のメンバーはともかく、七草先輩はマルチスコープで、達也が大きな物体さえも消し去ってしまう魔法があるところをみたはずだ。それをだまっているのか、今は、忘れているだけなのか。まあ、ここで口を出すところでないことは、それくらいの空気を読んでいるつもりだ。

問題は、深雪のプシオンの状態だ。多分、以前だったら、周りを氷付けにしていたのではないかと思われるほどに、プシオンが深雪のプシオンの領域内で荒れ狂っている。これも達也へ伸ばしていた霊気のラインが消えた関係か?
達也からの霊気のラインは残っているが。

まわりでは雰囲気が変わって、特に千代田先輩とそれにつられて五十里先輩が、人の命を何千人、何万人と救えるとか、それで人命を救えるなんてヒーローじゃないかとの話まででていたが、達也がそれを秘密としているのは、もうひとつの魔法のためだろう。

「エイドスの変更履歴を遡ってエイドスをフルコピーする。そのためには、エイドスに記録された情報を全て読み取っていく必要があります。そこには当然、負傷した者が味わった苦痛も含まれます。知識として苦痛を読み出すのではありません。苦痛という感覚が、ダイレクトな情報となって自分の中に流れ込んでくるのです」

さっきの五十里先
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