第3章
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者も国家資格やろ、此れにはすんごい時間と頭が要る。生臭い話するなら金もな。」
「そうなんです、時間が要るんです。国家資格を適応さすには。」
「医学部が何で六年間か知ってるか?木島さん。」
「いや…」
「大学は基本、四年や。其れが医学部は六年間。此の二年は、研修医として病院に勤務する実践期間や。四年で、全ての過程は修了し、国家試験を受ける資格が出来る。次の二年間で、自分が何科医になりたいかを決め、其れに必要な国家試験を受ける。其れに合格すれば、晴れてお医者様となるのだよ。内科医が、解剖検証出来るか?外科医が、風邪治せるか?麻酔科医が、骨折治せるか?整形外科医が、鬱病治せるか?そういう事。因みに俺、風邪は治せへん!心の風邪も治せへん!断言出来るわ、わはは。骨折なら辛うじて治せるわ。何となく治せるかな。治った感じに、治せるかな。治ったと思い込ませよ。」
「癌患者が、僕の所に来ても治りませんしね。治ったら僕、其れで宗教でも設立します。僕の話を聞けば病気は治ります!とか何とか云って。」
「弁護士は一寸違いますけど、似た感じです。」
弁護士を名乗るには、先ず国家資格である法曹資格が要るのは常識だろう。
法学部を出たからと云って自動的に弁護士になる訳では無く、法曹資格を持たない場合は、法学部卒業の学歴しか残らない。
ゆりかが此れに該当すると云う。
「で、弁護士って云うのは、名乗れる迄に幾つか過程があります。僕が一番判り易いですので、其れで説明しますと、先ず法学部を出ました。そして次に、二年、法科大学院に進みます。」
此の過程が医学部で云う六年間になる。
「そして、大学院で課程修了後、司法試験を受けます。此れに合格した場合、法曹資格を手に入れますが、此の時点で、何の問題も無く進んだ場合の年齢は二十四歳です。」
運が良かった、いや本当に…、と夏樹は過去の苦労を形にする、向日葵と天秤をぎゅっと握った。
そんな夏樹を見る菅原は、俺達医者もなんか欲しいな、メスとか注射器の形したバッチ、と時一に云った。云われた時一は、精神科医は何になるの、と苦笑う。
「そして。」
「未だあるのか…」
「未だ御座いますよ。資格を持ってから一年、司法修習と云う、研修期間があります。此の一年が終わって漸く、弁護士は弁護士と名乗れる様になります。此の研修期間の一年がない場合、其の人物は“法曹資格を持った一般人”であり、弁護士協会に登録されて居ないので弁護士では無いんです。弁護士、検事、裁判官、勿論医者も、此れ等国家資格には全て登録番号があります。研修期間が終わった時初めて登録されます。其の時の年齢が、二十六歳です。」
舐めていた、弁護士への道程を。
何処からとも無く湧く拍手、――菅原だった。
「凄いやろ、弁護士。医者も凄い。国家資格保有者を、もっと崇めなさい。僕達はそ
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