第2章
―8―
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と、ふわぁっとした気持ちや、何でも話そうと思う時、ありませんか?」
「ある…」
「精神科医やカウンセラーは、患者の気持ちを引き出すのが仕事です。其れには“自分が一番の理解者”だと洗脳するのが早いですから。弁護士も同じです、法廷に立った場合、弁護士が納得させるのは目の前の検事では無く、双方のやり取りを公平に聞く“裁判長”。弁護士が語尾弱く、なよなよと話してたら、裁判長の気持ちは検事に向きます。最近では全く無知の一般人迄居るではないですか。其の意識を引き留める為、自分に引き寄せる為、裁判長や裁判員を“洗脳”します。裁判長、と単調に云うのと、さ“い”ばん“ちょ”う、……もう、お判りですね?」
一枚のCD-Rを橘は和臣に渡した。
「此方が、相手の肉声です。お渡しします。」
全身を埋め尽くす鳥肌、十グラムにも満たない其れが手の平でずっしりと鉛の塊と化した。気を抜けば、其の重みで手の甲がテーブルに激突しそうだった。
嘘だ、だって……。
だって、彼奴は目の前に居ただろう…?
父親が死んだと云った口、其れは魔物に見えた。
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