第2章
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に此のドライバーは、秀一だ。ぼーと歩いてる方が悪い、と又喧嘩を始めた。
斎藤が持っている感情、時一曰く其れは、“好奇心”と“憤怒”だけ。
そんな斎藤が和臣に警戒心を猫みたく見せたのだから、周りは驚く。秀一迄も、ニヤニヤして居る。
「木島さんの推理力って凄いですね。ポワロみたい。」
関心する時一に、今は探偵では無く刑事ですがね、な、と突っ立つ“外科医”の菅原の肩に腕を回した。一瞬何の話か判らなかったが、“探偵と医者”…シャーロックホームズか、と理解し、そうだな、ホームズ、所で何時から刑事になったんだ?と言い返した。
「其処は僕に来て欲しかった!僕だって医者なのに…」
「俺は元軍医でね、…軍医って外科医っぽいやん。知らんけど。…しっかし木島さん、ほんま知識凄いな。」
「俺、出歩くの好きじゃなくて。休みの日は昔から家に居たんです。後図書館。」
「友達居らんの…?」
「友達位居ます。」
「俺がそうだよなー?」
聞いた秀一に、嗚呼そうだね、と暗く答えた。
加納が作った書類を見乍ら時一は、此れでもっと深層迄行けます、と自分の席に座り、しっかりヘッドホンをした。変わる様に橘が和臣の袖を引き、ファイルを差し出した。
「音声の分析結果です。」
小さな指先で両こめかみを押さえる橘、垂れた目のは隈が張り付いて居る。
「お疲れ、橘。」
「嫌い!もぉ、嫌い!」
労う菅原、ヘアトリートメントの匂いか、人工的な鼻を刺激する甘い匂いが、橘が首を振る度辺りに放漫した。
「頭痛い!耳痛い!どんだけ大昔のボイスチェンジャー使ってんのよ!化石か!キンキンガーガー、煩いんよ!三叉神経が如何かなりそう!あー、あかん、自律神経がおかしい。説明したいんですけど、先に愚痴云わせて下さい。」
人が変わった様に橘は喚き、其れに菅原は手を立て謝罪する。
聴覚神経をやられると人間は、精神的に異常な行動を起こす。此れは、脳に一番近い神経であり、又、聴覚神経を刺激されると不愉快を覚える為。
長時間、日常生活では他の音に消される高音或いは低音を長時間聞いて居ると人間は神経がやられ発狂する。特に高音は其の速度が速い。
高音…蚊の音、と云えば判るだろうか。
あれを長時間、一匹でも聞いて居ると発狂しそうにはならないか?
低音…蝿の音。
ブンブンブンブン、あの分厚い羽が空気と反発する音。
其れ等を五日間ずっと、蚊と蝿交互に聞かされる。
聴覚神経が麻痺を起こすと、平行感覚がなくなる。常に目眩を起こした状態になり、頭痛を覚え、メニエール症に近い状態になり、最悪、平行感覚無くした身体は目眩で吐き気迄覚える。
昨日会った橘がフラフラとして居たのは、此の末期の状態で、斎藤曰く終始吐いて居た。隈は自律神経が乱れ、不眠を発症したからである。
「此のボイスチェンジャー、自作かって位粗末で
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