第2章
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「…失礼。」
引き攣った笑顔で通話ボタンを押した夏樹の声色は固く、無表情だった。
「何やねん、掛けて来るな言うてるやろ。御前、裁判所から再三接触禁止の通知着てるやろが。守れや。日本語読めんのか、或いは高尚過ぎて判らんか?元の作りが悪いんか、薬のやり過ぎで悪いんか、嗚呼済まん、どっちもやったな。此れ、全部記録残っとるからな。は?………ふうん。で?だから何やねん、知らんがな。いや、知らんて。御前の親父ちゃうんか。わしの親父ちゃうわ。」
巻き舌で淡々と言葉を繰り返す夏樹は、一方的に喚かれる電話を切り、其の侭電源を落とした。
「トラブルか?」
「漸くですよ。」
「ん?」
「親父が死んだ。」
夏樹の口角は化け物の様に釣り上がって居た。
「今のは?」
加納の問いに、屑の破片、と言い退けた。
「今日何食べよかなー。こんなめでたい日無いで。」
「宴会と通夜には寿司って相場が決まってる。」
「お、良いですね。久し振りに酒飲もかな。」
「付き合ってやろうか。」
「是非。」
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