第1章
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ィッシュですら黄ばむんだぜ?おめぇ等知らんだろうけど。精子は鮮度が大事なんだ。
――築地直輸送!のオナホール買うわ。
――馬鹿じゃねぇの。自分の精液輸送して如何すんだよ。
――そんなに素晴らしいですか、擬似女性生殖器は。前々から興味はあったのですが。
――おう、良いぜ。酔った時とかな。デリヘル要らねぇわ。
――ありゃもう最高だわ。文句云わねぇし。
――知るか!
――セクハラ!最低!
男子社員はまどかの気を落ち着かせる為か判らないが下ネタを混ぜ、瓶に詰められた液体を紙に塗り、そして張り合わせた。案の定紙は張り付き、まどかは安堵した。其の報告を受けた警察側も度が過ぎると、差出人不明の手紙や小包を受け付けない様会社側に要請した。
其れが六月の話で、以降一切会社側には手紙類は来なくなったのだが、嘲笑う様に今度は自宅になった。
「美人だと大変だな。」
井上の声に顔を上げた。
「ずっとストーカーされてんじゃん、東条まどか。全員違う相手だろうな。大学ん時と、仕事始めからと、今。たーだ、今年からのストーカーはあぶねぇな。ま…、だから此の結果だろうけど。」
警察は、肉体への被害が無いからと取り合わないが、被害者からして見れば、例え肉体的に無害だろうが精神的に陵辱を受けていると同じ。強姦に遭っていざ被害報告を出しても、警察からの二次被害…セカンドレイプをされるのと同じ。
何故ストーカー被害は生活安全課で、強姦被害は此処捜査一課なのだろう。
相手の存在が見えないだけで、心に受ける傷の深さや精神的苦痛は同じなのに。
何故だ、何故違うんだ…。
無差別に強姦を繰り返す相手とは違う。ストーカーは確実に相手を狙い、心を犯し、最終的には肉体迄も犯す。
絶対に捕まえる。こんな卑劣な犯罪が許されて良い筈は無いんだ…。
「爆発的に被害届けが集中したのは訳がある。」
頭を陵辱する忌々しい記憶を払う様に和臣は声を絞り出した。
強姦もストーカーも、被害者は一人じゃない。其の被害者を思う人間の精神をも陵辱する。其の周りの精神を確実に蝕む。
助けて、誰か助けて…
ゆりかの声が記憶に重なる。
「東条ゆりかも、別人物からストーカー被害に遭ってる可能性が高い。」
「は…?」
「東条まどかは、其れを全て自分の事だとして出してる可能性が高い。」
依存性人格障害、まどかさんは其の可能性が高いです。
違う。此れはそんな人格障害等での問題では無い。
ゆりかがまどかに依存して居る。
其の確信がはっきりと和臣の中で肥大した。
刑事さんに何が判るの?だって貴方は私を犯した男達と同じ男じゃない…
強姦被害に遭った被害者は皆和臣に同じ事を云った。
判らない、嗚呼判らないさ、御前の受けた“肉体的”苦痛なんて…、でもな…?そんな御前を愛する男の
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