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歪んだ愛
第1章
―3―
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が無いと結果を出した鑑識は、此れを科学捜査研究所の法医・菅原に鑑定依頼を回した。
「別の場所、しかないだろ。其れは僕達の仕事じゃない。」
心理担当の男は生欠伸咬まし、一番に反応しそうな男を見た。
相変わらず寝ている。
「そうなんやろけど、変なんよな。」
「変、とは。」
物理担当の男が、女の様なか細い声で菅原を見上げた。
「此の日に襲われとるんは確かなんよ。傷口が綺麗に洗い流されとる。東条まどかが殺された日は豪雨で、其れは納得行くんやけど、違うのな。」
菅原が注目したのは足の裏の裂傷跡、襲われた日に付いたのも確認出来たが、古い裂傷跡もあったのだ。
「裸足で歩くのが好きなんじゃないの。」
「なんやの、其のハイジ的な何か。」
心理担当の男の言葉に、そんな戦後なら未だしも平成も二十年以上過ぎた現代でハイセンス過ぎるだろうと菅原は呆れた。
「服にルミノール反応は。」
「あった、ばっちしや。」
「靴に土て、付いてた?」
菅原と似るイントネーションで聞いたのは文書担当の男。
「着眼点はええ、けど、一緒やて。」
「はーん。」
菅原の返答に、特徴的な丸眼鏡を撫で、机の上に座る猫の頭を撫でた。
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