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IF物語 ベルセルク編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二十一話 クーデター
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ての事だ。
武力制圧は成功したがグリューネワルト伯爵夫人が死んだ事でクーデターとしては失敗した。進退窮まったゲルラッハ子爵はローエングラム侯を勅令により反逆者とするべくガイエスブルク要塞に接触してきたがブラウンシュバイク公もリッテンハイム侯もグリューネワルト伯爵夫人を押さえられなかったゲルラッハ子爵に利用価値を認めなかった。
ナイトハルトがオーディンに着いたのはクーデター後だったがグリューネワルト伯爵夫人が居ない以上クーデター勢力の鎮圧に躊躇う事は無かった。クーデター勢力は瞬時に制圧、ゲルラッハ、オッペンハイマーは捕えられた。ローエングラム侯ももう直ぐオーディンに着くだろう。侯が彼らをどう扱うか……。
「エーリッヒ、ギュンターは無事だと思うか」
「この内乱には関わるなと言った。それを守っていれば無事の筈だ。それにオーディンを制圧したのはナイトハルトだ、大丈夫だろう」
「そうだな。……ローエングラム侯は捕えた連中を如何扱うかな?」
「皆殺しだろう」
「……」
「ローエングラム侯の権力基盤は弱い。それを揺さ振ろうとする連中を許す事は無いと思う。感情的にも伯爵夫人を殺した連中は許せないだろう。兵士の罪を問う事は無いと思うが指揮官、貴族は容赦無く殺すだろうね」
平静な口調だった。口調と内容がまるで一致していない。その事に寒々しい思いがした。
「内乱というのは収め方が難しい。単純に敵だから殺してしまえという事が出来ないんだ。元々は帝国人なのだから出来るだけしこりの残らない形で終わらせる事が必要だが今のローエングラム侯にはその辺りの配慮は出来ないだろう。元々得意でもないしね。……御蔭でこちらは手を汚さずに済む」
エーリッヒが低く笑い声を上げた。オフレッサー、リューネブルク中将の顔が強張っている。俺も同様だろうな、頬の筋肉が引き攣るような感じがする。
「……それにしてもレンテンベルク要塞を放棄するとは思わなかった。奪還戦でトマホークを振るえるかと思っていたのだがな」
「小官も同じ思いです」
オフレッサーが話題を変えた。リューネブルク中将が相槌を打ったのはクーデターの話をこれ以上続けるのは避けたいと思ったからかもしれない。
「私も予想外でした。まさかレンテンベルク要塞を放棄するとは思いませんでした。出来れば要塞攻略戦で数個艦隊を叩く、そしてオーディンで最終決戦にしたかったんですけどね、上手く行かない」
「レンテンベルク要塞放棄は上策かな?」
俺が問い掛けるとエーリッヒは“如何かな”と言った。
「各個撃破を避けた、戦力をオーディンに集中させた、そういう意味では正しいだろう。オーディンという根拠地を安定させるという意味でも間違いとは言えない。しかしこれで辺境は貴族連合に加わるだろうな。ローエングラム侯は孤立し追
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