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IF物語 ベルセルク編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二十一話 クーデター
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プの男だ。憲兵総監の地位にあった事を幸いに貴族連合に加わらなかったのはローエングラム侯と戦えば貴族連合が敗けると判断したからだ。貴族連合軍内部でも非難する人間が多かった。
オッペンハイマー大将もその事は分かっていただろう。ごく普通に寝返ったのでは功が弱い、受け入れられないと思ったに違いない。そしてゲルラッハ子爵に近付いた。オーディンでクーデターを起こしローエングラム侯を宿無しの存在にする。その上で貴族連合軍に接触し自分達の功績を認めさせる。そう考えたようだ。
「しかし何とも手際の悪いクーデターだな」
「あの状況では誰だってクーデターは間近と判断するでしょう。当然ですがそれなりの対応を取る。簡単には成功しませんよ。ま、実行者側の手際が悪いのは認めますがね」
オフレッサーとリューネブルク中将の会話にエーリッヒが頷いた。俺も同感だ、あれは酷かった。
ゲルラッハ子爵、オッペンハイマー大将の起こしたクーデターが失敗した理由、それはリヒテンラーデ公、モルト中将、グリューネワルト伯爵夫人がクーデターを予測していた事、そして覚悟を決めていた事だ。彼ら三人はもう後が無い事を十二分に理解していた。
リヒテンラーデ公は一族を集めて戦った。一族の人間達もリヒテンラーデ公の勢威が有って今が有る、公を失えば自分達も没落すると理解している。モルト中将の援護を受け最後まで、全滅するまで戦ったそうだ。生存者無し、リヒテンラーデ公一族は文字通り鏖殺された。
モルト中将もグリューネワルト伯爵夫人を二度も奪われては生きてはいけない。必死で防戦したようだが兵達が従わなかった。多勢に無勢、そう思ったか。或いはローエングラム侯を見限ったか。結局モルト中将は自決、グリューネワルト伯爵夫人は服毒自殺した。そしてマリーンドルフ伯爵家……。
「マリーンドルフ伯爵親子も助からなかったな」
「仕方ないだろう、アントン。味方でさえも自家の発展のために潰そうとしたんだ。マリーンドルフ伯爵家はあの一件で貴族社会では孤立した。力も無ければ味方もいない、そんな家が生き延びる事など不可能だ。カストロプでさえ滅びた、マリーンドルフはカストロプより小さい」
マリーンドルフ伯爵親子はローエングラム侯に味方する貴族達に殺された。フロイライン・マリーンドルフが引き入れた味方達。彼女が自分達を利用しようとした事、ローエングラム侯が自分達の存続を望んでいない事、それらを知った彼らはクーデターに同調、反ローエングラムを表明しマリーンドルフ伯爵親子を殺した。
フロイライン・マリーンドルフは暴行された上での殺害だったらしい、無惨を極めたようだ。他にもヴェストパーレ男爵夫人、シャフハウゼン子爵夫妻が殺されている。ローエングラム侯に近いと見られたようだ。オーディンでここまで貴族の血が流れるなど初め
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