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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories
ALO編 Running through to take her back in Alfheim
Chapter-12 妖精の世界へ
Story12-5 出発前の一悶着
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浮かんでいた。
だが、その建物の中心に屹立する細いポールにはシルフの紋章旗が揚がっていない。
基本は滅多にあることではないが、領主は今日一日留守ということだ。
――挨拶に行こうと思ってたんだけどなぁ……
「どうかした?」
首を傾げるキリトに、リーファは何でもないと首を横に振った。
気を取り直し、風の塔の正面扉をくぐって内部へと進んだ。
一階はロビーになっており、周囲をぐるりと様々なショップの類が取り囲んでいる。
ロビーの中央には魔法力で動くエレベータが2基設置され、定期的にプレイヤーを吸い込んでは吐き出している。
アルヴヘイム時間では夜が明けたばかりだが、リアルでは夕方に差し掛かる頃だろう。
もうそろそろ行き交う人の数が増え始めるはずだ。
リーファに手を引かれて、ちょうど降りてきた右側のエレベーターに駆け込もうとした。
その時だった。
傍から数人のプレイヤーが現れ、行く手を塞ぐ。
激突する寸前で、リーファは踏みとどまった。
シルフにしてはずば抜けた背丈、荒削りだが整っている顔。
体をやや厚めの銀のアーマーに包み、腰には大振りのロングソード。
額に幅広の銀のバンドを巻き、波打つ濃緑の髪を肩の下まで垂らしている。
そう、シグルドだ。
「ちょっと危ないじゃない!」
反射的に文句を言うリーファは、眼の前に立つシグルドに気づいたようだ。
レコンもいるのかと見渡していたが、彼の姿はなかったようで、彼女は視線をシグルドへと戻す。
リーファの前にずしりと両足を広げて立つシグルドの口許は、彼の最大限の傲慢さを発揮させる時特有の角度できつく結ばれていた。
――面倒なことになるかも
リーファはゆっくりと口を開いた。
「こんにちは、シグルド」
リーファが笑みを浮かべながら挨拶したのだが、シグルドはそれに答える心境ではないらしい。
唸り声を交えながらいきなり要件を切り出した。
「パーティーから抜ける気なのか、リーファ」
かなりご機嫌斜めのようだ。
リーファはシグルドの問いに一瞬考え、こくりと頷いた。
「うん……まあね。
貯金もだいぶできたし、しばらくのんびりしようと思って」
「勝手だな。残りのメンバーが迷惑するとは思わないのか」
「ちょっ……勝手……!?
ちょっと待ってよ!
デュエルイベントの時、はっきり言ったはずよ!
『パーティー行動に参加するのは都合のつく時だけ。抜けたくなったらいつでも抜ける』
束縛されるのは御免だって!」
「リーファ。お前はオレのパーティーの一員として既に名が通っている。
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