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歪んだ愛
第1章
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「何だか酔いそうですね…」
「何でこんな配置なんだ?」
「判らないんです、其れが。」
「判らない?」
「全く違う場所で買って、違う時期に配置したのに、逆の配置なだけなんです。」
二つの部屋を隔てる壁側にベッドを置き、窓際に机とドレッサー、クローゼは両部屋ともベッドの向かい側にある。
「あ、そういう事か。」
クローゼが隔てる壁側の向かい側にある事で、一番場所を取るベッドが同じ場所に置かれた、其れを考え机とドレッサーを置いたら見事同じ配置になる。
「考える事は同じなんだな。」
「そうですね、でも、何時もまどかが後に買うんですよ。」
ゆりかが買った家具を見た東条まどかが全く同じ家具を買い、対極に配置する。
「若しかしてまどかさんは、何時も貴方の真似をされて居たのではありませんか?」
加納の言葉にゆりかは首を捻ってみせたが、云われて見ればそうかも知れない、と云った。
「そうなのかな、如何なんでしょう。良く判りません。」
「此の写真、御前か?」
東条まどかの部屋に入った和臣は、机の上に飾られるコルクボードを指した。其処には形付け切り取られた写真が何枚も貼ってある。笑顔で映って居るものから少し面白い顔をしたもの迄、小さいのも合わせるとざっと二十枚位だろう。其の中で一際目立つのが、瓜二つの顔をするゆりか達の間に一人の男が挟まれ三人で撮られた写真だった。
「其れは全部まどかですよ。」
「真ん中の男は誰だ?」
「夏樹ですね、まどかの恋人です。」
「夏樹…、苗字は?」
「あ、夏樹が苗字で、名前は冬馬です。」
和臣の手帳に名前を書き、其れを見た和臣は、夏なのか冬なのかはっきりして欲しいな、と笑う。
二人を他所にドレッサーを開けた加納は、おやまあ、と甲高く口癖を出した。
「生首でもあったか?」
「ぐちゃぐちゃですよ。」
「見えない所にこそ、性格が現れるな。」
引き出しの中は化粧品が乱雑に収納されていた。其の勘でクローゼを開けると、矢張りぐちゃぐちゃに服が掛けてあった。下のスペースには凡ゆるブランド物の袋や箱が詰んである。
「見るんじゃなかった…」
そっと閉じた和臣は、悍ましい記憶を払う様に首を振り、私のも見せましょうか?とゆりかはクスクス笑った。
「綺麗なんだろ。」
「はい。」
笑顔でクローゼを開けたゆりかは続けてドレッサーの引き出しも開け、性格が正反対なのを痛感した。
ドレッサーの引き出しは小物入れで区切られ、リップメイク用品、アイメイク用品、マスカラ、毛抜きにビューラーときちんと向き迄整頓される。東条まどかの引き出しは、此れ等が乱雑に入っている。クローゼットも乱雑な東条まどかに対し、スカート、ブラウス、ワンピースと長さで収納され、パンツ類はケース、と整頓される。
「美しいな。御前、乙女座だろう。」
「はい、良く
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