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ファントム・バレット編 〜守り人たち〜
真なる武器は
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「すべての武器、今、拳に背負う」
ユキは怪人達が囲む中、途中で保護した少女を背負い、ただ一言呟いた。
『本郷』は、自分と同じ者たちを、拳のみで制してきた。
ならば、こちらも武器を使うのを極力控えよう。
徒手空拳のみで戦うその拳に、手甲が装着される。
それと同時に体が元に戻る。
装飾も何もない、銀色の拳。その拳は『未来』。
「さぁ、どっからでも来い!!」
叫んだ瞬間に、無数の怪人がユキへと襲い掛かる。
(もう、とっくのとうに人間じゃないのなら)
(もう、誰も触れられぬこの拳で、誰かを守ろう)
怪人の肉を引きちぎり、赤心少林拳で怪人が命を散らすのを、しっかりと目に焼き付ける。
ただ一人。その孤独の中で戦う。変身もせず。ライダーの魂を、その体に宿しながら。
「ウルトラサイクロン!!」
ノーモーションでの超電子ウルトラサイクロン。
セイクリングジャンプで怪人たちを押しつぶし。
風が吹き荒れ怪人を消し飛ばす。
「らぁっ!!」
神速、ノーモーション、光の速度の上、『粒子』を超えた一撃。
ただそんな中でも。奴らはやって来る。
「・・・・・・!!ショッカー」
そう、奴らだ。悪魔の組織。背負った子供を下ろし、傍に隠れてという。
アシムレイトロイド量産タイプ。と、そこには。
「?・・・・・・リンさん、ライトさん?」
そう、ライトが。リンが。いや、
番外個体
(
ワースト
)
がそこに立っていた。
「そこにいるんだろう?死神博士」
ゆらりと近くの次元が揺れた。そこから現れたのは、死神博士。
「やあ、裏切り者」
「何の用だ?お前がここに来るなんてこと、絶対にないだろう?」
死神博士は鼻で笑うと、こちらを一瞥し、ワーストを見る。
「心なしか本郷に口調が似たな。まぁ、いい。貴様に会い来たのは他でもない、君の抹殺だ」
「その量産タイプは、異世界の勇者の戦闘力そのまま再現して造ったのだ。それを君に斃せるかな?」
行け、と死神博士が言った。量産タイプが動く。その速度は――――――。
「有に光を――――――」
死神博士が言おうとした瞬間だった。量産タイプが全て四肢をもぎ取られてもがいていた。
「いったい何が―――――」
量産タイプの頭部を持ったユキは、力を入れながら言った。
「これで終いか、死神博士?」
「彼らの力の、約三割しか出てない。一割がステータス、二割がスキル。そう、彼は言っていたよ。じゃあ残りの七割が何なのか、貴様に分かるか死神博士?」
「今からそれをわからせてやる」
ワーストが動く。ゆっくりと歩くユキ。死神博士は変身した瞬間を狙えと言った。
「・・・
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