第二十四話
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せたくはないが、このモンスターが出る場所にも置いていけやしない……頼むから、転移結晶を持って隠れていてくれ」
聞いた当初は、あまり納得していないような表情だったものの、いつになく本気である俺の表情と声に、リズはしぶしぶ頷いた。
「じゃ、行くぞ」
扉に手をかけた瞬間、扉は大きく音をたてて押され始めた。
そういや、アインクラッドのダンジョンの扉って、みんな押し戸だな、などとくだらないことを考えながら部屋に入った俺は――側面からの衝撃を受け、部屋の横の壁に吹っ飛んだ。
「ぐはッ……!?」
「ショウキ!?」
俺を吹き飛ばした物の正体は――腕。
何もかもが巨大な遺跡の守護神として相応しい、五メートル程の巨大な《ゴーレム》の腕だった。
《マッシブェイト・ゴーレム》という名前が識別され、俺にトドメをさそうと近寄ってくる。
その動きは鈍重だが、一歩一歩が大きい為にすぐに俺がいる壁に追いついてくる。
だが、俺とてただやられるわけにはいかない。
「……でぇぇい!」
ポーションを口に含み、伸ばしてきたマッシブェイト・ゴーレムの腕についている指を斬り、ひとまず態勢を立て直すことを優先し、部屋の中央に移動する。
「リズ! 離れてろ!」
「き……気をつけてね!
流石に適わないと分かるのだろう、リズは扉の近く、部屋に入るか入らないかのところで待機する。
リズには悪いが、これで思う存分戦えるというものだ。
日本刀《銀ノ月》を腕と並行に構え、いわゆる《突き》の態勢をとる。
――まずは、《マッシブェイト・ゴーレム》の耐久性を調べる。
「刺突術《矢張月》!」
自分が使う技の中で、もっとも一点突破力がある突き攻撃により、ゴーレムの腕を避けて足に日本刀《銀ノ月》を突き刺した。
結果、弾かれはしなかったが、貫通することも無かった。
流石にボスモンスター、なかなかの耐久力を誇っているようだったが、あくまで階層相応の耐久力。
勝てなくはない……!
そう思った瞬間、舐めるなと言わんばかりにパンチが飛んでくる。
「おっと……!」
日本刀《銀ノ月》で軌道をずらして払い、第二撃が来る前にもう一撃斬って、即座にバックステップにより射程外に後退する。
だが、やはり硬い。
日本刀《銀ノ月》ならばともかく、対プレイヤー戦の隙を無くすための足刀《半月》には荷が重いだろう。
……つまり、俺がどうやって戦うべきかは自ずと決まってくる。
そう、一点突破をしつつの、高速戦闘……!
「《縮地》!」
高速戦闘になくてはならず、俺の生命線と言っても過言ではない技、《縮地》を使用し相手の足下に近づいた。
当のマッシブェイト・ゴーレムは、一瞬で近づ
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