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僕の周りには変わり種が多い
横浜騒乱編
第23話 剣の術
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い、待て」

銃声が1発。そして少し間をおいてから2,3発目の銃声として聞こえたが、結果は達也の背後に銃弾がとどくでもなく、達也が血を流すわけでもなく、達也の握りこんだ手の位置が動いただけのようにしか、普通はみえないだろう。

僕には達也の手からでた発散系を中心とした魔法式が見えた。あれは、春のブランシュの事件で、ドアを破った時の魔法とほぼ同一なんだろう。やはり先天性スキルなのか、発動スピードと事象改変力が尋常じゃないな。僕もあの小銃にかかっている指先と、銃口をみて、かわすだけならできるだろう。しかし、魔法をつかって3mという距離で直接弾丸を処理するのは不可能だろう。行なうなら、相手に直接魔法をたたき込むことだが、それだと、相手に引き金をひかせてしまい、観客を巻き込む恐れがある。

小銃を打った侵入者が、小銃をすててナイフに切り替えたが、普通の人間が多少の訓練を受けたからといって、達也の相手になるものじゃない。そう思ったが、達也がおこなったのはナイフを取り上げたり、手か指を折るのではなく、腕を切断するというものだった。こちらからは、達也の手先と侵入者の腕が近すぎて、はっきりとはみえなかったから確証はないが、さっきの弾丸を止めた魔法と同一系統の魔法だろう。

残りの侵入者が茫然としているので、僕は今度はまわりにもわかるように、シルバー・ホーンで振動魔法を直接かけたところで、深雪は達也に近寄って

「お兄様、血のりを落としますので、少しそのままでお願いします」

そう言い終わったところで、自警団は倒れている侵入者をしばりあげはじめる行動に移っていた。

レオやエリカたちが達也の方へ向かう中、僕はステージ方向へ移動して飛び乗った。そこへ名倉あかりが近寄ってきて、僕が声をかけるより先に

「翔がいてくれて、精神的に楽だったわ」

「……それはよかったよ。このあと、あかりはどうするんだい?」

「周りと一緒に行動することになると思うの。あなたは正面へ行くのね」

それって正面出入り口へ行けってことかよ。それに翔って、今朝の喫茶室でまわりから見聞きできるのが恋人同士のようになっていたようで、エリカには今までのは嘘だの、やっぱり彼女だったのねとか、散々にからかわれていた。今も、もう顔がすぐ近くまでに近づいてきていて、互いに目を見ながら話しているから、遠距離恋愛をしている男子女子にみえるだろう。

たしかに見た目だけなら、クラスメイトの南とか、操弾射撃部の滝川よりは上だと思う。しかし、クラスメイトのエリカに美月、生徒会室で会う深雪やほのかに、大衆アイドル的な存在である中条会長、プラットホームまでの帰りには一緒になることが多い雫とくらべると落ちるからなぁ。僕の美的感覚がマヒさせられてきている気がしてきた。

それはともかく、
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