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我が剣は愛する者の為に
奇妙な占い師の予言 五斗米道継承者
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話しかける俺をどのように見えただろうか。
周りが俺に視線を集めているのが分かったが、無視する。
女性は顔を近づけて俺にしか聞こえない声で言う。
少しドギマギしながらその言葉を聞いた。

「天の御使いはそう遠くない未来にやってきます。
 貴方の元に。」

「俺の?」

そう聞き返すと小さく頷き、言葉を続ける。

「その御使いをどう導くかは貴方次第です。」

「御使いが俺に引っ張られるのはおかしくないか?」

「何もおかしくありませんよ。
 貴方も天の御使いと変わらないのですから。」

管輅の言葉に俺は眉をひそめる。
右手で刀を持ちつつ、俺は真剣な表情で聞き返す。

「お前、何者だ。」

「ただの占い師ですよ。
 王の資質を持つ者よ。
 貴方の目指す世界が作られる事を私は祈っています。」

そう言って俺から離れて行く。
管輅は人通りの中に入ると一瞬で姿が見えなくなった。
刀から手を放して顎に指を当てて考える。

(さっきの言葉から察するに俺が転生者ってことを知っているみたいな発言だったな。
 そして、俺と御使いは変わらない。
 もしかして俺の世界の人間がこの世界に来るのか?)

深くまで考えるが答えが出る訳がなかった。
これは実際に御使いに会ってみないと分からない事だな。
そう割り切って近くの本屋による。
あの管輅の言うとおり、実際に出会うかはまだ分からない。
麻奈達と同じ神様なのか?、と考えた。
俺が王を目指す事を分かっているような口ぶりだった。
やぅぱり考えても考えても謎は深まるばかり。
本屋に寄って新しい本が入荷されていないかを確認して俺は街を離れる。
街で情報を聞くと、ここら辺で優秀は諸侯はあまり居ないらしい。
他の街に行って情報を集めるか、と考えた時だった。

「お前達、馬鹿な真似は止めろ!
 この馬車には病人が乗っているんだぞ!」

と、男の声が聞こえた。
その方に視線を向けると一つの馬車に賊が数人囲んでいた。
後ろの積み荷を守るかのように赤い髪の男が賊達に言う。

「こうしている間にも病人は弱っている。
 早く街に行って適切な処置をしないと!」

「そんなの俺達には関係ないんだよ!
 いいから、積み荷を渡しやがれ!」

「何を言っている!
 この積み荷はこの病人の物だ!
 渡す馬鹿がいる訳ないだろう!」

賊達は男が面倒になっているのか、手に持っている剣でその口を封じようとする。
黙って見過ごす俺ではないので。

「そこに俺がどーん!!」

「はぎゃ!!」

馬から降りてウルトラバックドロップを繰り出す。
簡単に言えば後ろからジャーマンスープレックスをかけた。
首の辺りが嫌な音が聞こえたが気にしない。

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