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我が剣は愛する者の為に
奇妙な占い師の予言 五斗米道継承者
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故郷である村を出発して数日が経つ。
俺は当てもなくぶらぶらと荒野を馬に乗りながら歩いていた。
率直に言おう。
何をすればいいのか全く分からない。
俺には家柄などの恩恵がない。
完全に零からのスタートという事になる。
なので、これからどう動けばいいのか全く方向性が決まらない。

(この場合、俺が兵を集める事はできない。
 どこかに客将として仕えて、そこから実績を積むしかないか。)

幾ら強くなったとはいえ実績も何もない俺について来い、と言っても誰も来ないだろう。
何処かに仕えて実績を積んで独立。
これが最善の策だと俺は思う。
さて、問題はどこに仕えるかという事だ。
誰でも良いから仕えるという訳にはいかない。
仕えた所が全くの無能だとしたら自分の力を充分に発揮する事ができない。
きちんと仕える相手を選ばないとな。
と、考えた時だった。
ぐぅ〜〜、とお腹が鳴る。

「よし、飯にするか。」

腹が減ったら戦はできぬ。
地図で一番近い街を目指す。
本当はこんなのんびりとして居ては駄目なんだろうけど、腹が減っていては力が出ない。
ゆっくりと馬を歩かせて街に向かう。
ちょうど昼頃には一番近い街に着く事ができた。
馬を預けて何を食べようか、と考える。

(今日の気分はラーメンだな。)

てなわけでラーメン屋さんを探す事にする。
そこそこ大きな街なのですぐに見つかった。
ラーメンを一つ頼んで、昼食をとる。
食べ終わり店を出て、これからどこに向かうかを考えようと思った時だった。
大通りの一角に人だかりができていた。
気になった俺はそこに向かう。
一番後ろにいる男性に話しかける。

「この集まりは何なんだ?」

「管輅って占い師が何か大声で言っているんだよ。」

少し気になった俺は人混みをかき分けて前に向かう。
そこには一人の女性が立っていた。
見惚れるほどの綺麗な瞳をしており、人がこうやって集まっているのもそれが原因だろう。
月琴を弾きながら彼女はこう言った。

「今、この世は乱れに乱れきっている。
 貧困、病、そして王政。
 しかし、まもなくです。
 まもなく天の御使いが現れる。
 星の流星と共に御使いが現れ、この世を救済してくれるでしょう!」

声を高らかにしてそう宣言する女性。
周りの人は何を言っているんだが、と興味をなくしたのか人が離れていく。
だが、俺は少しその話に興味があった。
俺も元からこの世界の住人なら離れていたが、他の人とは違う点がある。
それは前世の記憶。
これがあるからこの管輅のその内容を無視する事はできなかった。
去って行く人混みに逆らうようにその女性に近づく。

「その天の御使いについて詳しく教えてくれないか?」

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