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英雄は誰がために立つ
Life7 正義の味方
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キさせたいのかしら??」
 「な、なんでさ!?」

 あまりの急展開におどおどする切嗣。
 そんな夫の態度に酒の助け?もあってか、加速度的に機嫌を斜めにするアイリスフィール。

 「もう切嗣って人は、何所まで女性と関係を作れば気が住むのかしら?これはもう、汚死悪棄?するしかないわね♪」
 「なんでそうなるのさ!?僕が愛しているのは生涯君だけだと言うのにどうして信じてくれないんだ!」

 風雲急を告げる展開に必死に説得を試みる切嗣。
 そこに、リビングに顔を出した士郎の姿を眼に入れる切嗣。

 注:ここからの()の間は切嗣と士郎によるアイコンタクトによる会話内容です。

 リビングに顔を出した士郎は、瞬時に自分を見ている人物と目が合った。

 (士郎!僕を助けておくれ!)
 (如何したんだ、父さん?・・・・・・いや、言わなくても解った)
 (ほ、ホントかい!?)

 自分の事にはめぐりの悪さを呪いたくなるくらい鈍感なこの男藤村士郎は、他人の事となれば出鱈目なレベルで観察眼に優れているのだ。この事で、どれ程の人を助け、どれ程の女性を泣かせてきたか。

 「母さん」
 「ぅん?なぁにぃ、士郎?私は今、これから切嗣と大切な折檻(O☆HA☆NA☆SI)をしなければいけないのよ?後にしてくれないかしら?」
 「その事で母さんに話があるのさ」

 (士郎!)

 今この時切嗣にとって士郎は、誰でもない正義の味方に見えた。

 「ん?」
 「離れにある俺の部屋が一番防音も効いているから、そこで折檻(やる)といいよ」

 (し、士郎ぉぉぉぉおおおおお!?)

 事態はそのままに落ち着いた。

 「流石は私のかわいい息子ね♪」

 ガシッ。

 首根っこを掴まれる切嗣。

 「ま、待ってくれ、アイリ!?」
 (ど、如何いう事だい士郎!?事態が改変するどころか悪化してるんだけど!)

 士郎への自室、ドナドナ開始5秒前。

 (父さん、正義の味方と言う存在は幻想の上、単なるエゴイストでしかないのさ)

 ドナドナ開始4秒前。

 (それと、僕を見捨てる事と一体何の関係が有ると言うんだっっ!)

 開始3秒前。

 (そのエゴイストのなれの果ての行動を知っているかい?)

 2秒前。

 (だから!それが一体――――)

 1秒前。

 (全てを救うことが出来ないのであれば、十の中の藤村切嗣()だけを全力で切り捨てる事で多くを救う・・・つまりはそういう事さ)

 カウント0、つまりは死刑執行のための連行開始!

 「さぁ、逝くわよ♪き・り・つ・ぐ?」

 ドナドナ〜〜〜〜。

 (し、士郎ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおお
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