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英雄は誰がために立つ
Life7 正義の味方
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る切嗣の持つ大きなアタッシュケースに目が行っていた。

 「アイリさん、切嗣さん。そ、それは・・・?」

 畏怖した訳では無かったが、何か嫌な予感がしたゼノヴィアは意を決して尋ねた。

 「おぉおお?流石はゼノヴィアだ!いいところに気が付くね?」

 (いや、あんなに大きいのだから普通は誰でも目が行くと思いますよ?切嗣さん)

 と、内心で思ったが口には出さなかったゼノヴィア。
 そんな彼女の心の内を知らずに、実に活き活きした顔でビデオカメラを取り出す切嗣。

 「これはね、この日のために一昨日購入したばかりの最新式のビデオカメラさ!と言っても、最新式にも色々合ってね?それでこのレンズ―――――――――」

 語りだす切嗣。

 「切嗣は語ると暫くの間止まらなくなるから、今の内に引き戻さないといけないわね。切嗣!いい加減に戻って来て!」

 ドゴッ!

 思いっ切り旦那の頭を殴る妻。

 「―――――それでこれ痛ッ!?って、あれ?如何して殴るんだい、アイリ?」
 「そうしないと語りが止まらないからでしょう?」

 そんな2人が和気藹々?している処で、ゼノヴィアが有る事に気付く。

 「切嗣さん、最新式ビデオカメラ(それ)一台入れてきたにしては大きくありませんか?そのアタッシュケース」
 「ん?おお!またまたよく気づいたね!もしものためにと、12台全部持って来たのさ!!」

 嬉々としてずらずら同じ最新式ビデオカメラを出していく切嗣。

 「・・・・・・・・・・・・・・・もしかしてこの日のために12台も買ったのですか?」

 恐る恐る聞くと・・・。

 「うん、そうだよ。何かおかしかったかい?」
 「・・・・・・ぅ」

 軽い頭痛に襲われるゼノヴィア。しかも、あっけらかんと言った。
 しかし、そこで軽い頭痛に苛まれながらも、あることに気付く。

 「っぅ・・・・・・・・・切嗣さん、12台と言うには・・・・・・4台足りませんけど?」
 「え?あー、もしかして足りていないことに不安にさせてしま『あっーー!?』・・・ん?」

 同じく廊下の方に居たとある夫婦が悲鳴を鳴り響かせ、それを聞いた人達の皆の視線を独占した。
 よくよく見れば、そこには一誠とアーシアもいた。恐らくは、一誠の両親なのだろう。

 「あの2人は兵藤さんたちね」
 「ああ、何か重大な事が起きた様だけど・・・・・・如何したんですかー?」

 見なかったことにせず、敢えて聞きに行くのは興味心では無く切嗣の人の好さ故だろう。

 「え?あぁー!?藤村さん、お久しぶりです」
 「こちらこそお久しぶりです。それで何かあったのですか?」

 切嗣に促された一誠の父は、困り顔を浮かべながら話し出す。
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