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妖精の義兄妹の絆
愛するもののために
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しいと結論づけた。
「気付きましたか?」
背後から聞きなれた声が聞こえる。
「あぁ、とりあえず…生きてる…な。」
「もう!!こんなになるまで頑張って…、あれほど竜水は使うなって言ったのに…。」
「…わりぃ。」

ポロ ポロ

「ほんと!!みんなに心配ばかりかけさせて…。グズ」
「あぁ、悪かったよ…。






だからもう泣くなよ…。」
エマは涙をポロポロ流しながらタクヤを叱った。
「でも、おかげでギルドを守れたし…、結果オーライって事で…、」
「なるわけ無いでしょ!!!反省してください!!!」
「はい…。」
さらにエマのお怒りを買ってしまった。
「…サンキューな、助けてくれて。なんかヒーローみたいだぜ。」
「どちらかと言うとヒロインの方だと思いますけど。」
「ハハッ…。そう、だな…。」
「タクヤ?」
「わりぃ…。ちょっとだけ、寝るよ…。」
タクヤは声をかすらせながらエマに言った。
「…はい。ゆっくり休んでください。」
それを聞く前にタクヤは寝息を立てていた。
























「あ、あれ見て!!」
ルーシィが空にこちらに向かってくる影を見つけた。
「エマ!!それに…、」
「お兄ちゃん!!!」
次第に近づいてきたエマはタクヤを起こさないようにそっと地上に降りた。
「お兄ちゃん!!しっかりして!!!」
「あ、いや、タクヤはただ寝てるだけですから。」
「えっ!!?」

スゥー スゥー スゥー

確かにタクヤの寝息がかすかに聞こえるので命に別状はないようだ。
「でも、こんなに傷だらけで…。」
タクヤの体のあちこちには切り傷やら打撲痕などがあり、どれほどの激戦だったのか容易には分からない。
この中では一番重症だった。
ウェンディはすぐに治癒魔法をかけようとするが、自分の魔力もほとんどない為それが適わなかった。

ギュッ

「お兄ちゃん…。」
何もできない、何もしてやれない自分が悔しくて仕方なかった。
タクヤが奥の手の竜水を使う事も想像していた。だが、言えなかった。
タクヤの背中を見ていたら言葉が出なくなった。

ポロ ポロ

ウェンディはこうやって涙を流す事しか出来ない。
「ウェンディのせいじゃありませんよ。」
「え。」
不意にエマから言われた一言に一瞬理解が遅れた。
「多分言っても聞かなかったと思いますよ?タクヤってやるって言ったら何でも最後までやりますから。
私たちを…ギルドを…そして、ウェンディ…あなたを守りたかったから。」
「…。」
「ま、要するにただの頑固者って事ね。」
シャルルもタクヤを見ながら言った。
「それ言っちゃダメです
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