第百九十三話 三文芝居
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く。
「承知しました。帝国軍からの24時間の停戦を受け入れましょう」
グリーンヒルがすかさず停戦の受諾をする。
『聡明なる判断を感謝します』
グライフスも返答する。
結果、この時間より24時間の間は双方が引き、病院船などにより負傷兵や遺体の回収が行われる事と成った。
同盟軍は24時間の停戦時間を生かして、テレーゼの口撃を受けた際の混乱の沈静化と事実の確認をする為と負傷者や遺体の回収をする為にイゼルローン要塞より30光秒の位置まで下がり事態の収拾に当たることとした。停戦とは言えども騙し討ちがある可能性を考えていたが、後退の際に危惧された帝国艦隊の追撃も全く行われず、同盟艦隊が下がれば下がるほど、同じ速度でイゼルローン要塞方面へと後退していった。此により停戦が本気であると判り、同盟側より多数の小型艇や救急船が戦場で動けなくなっている艦艇やスパルタニアンから将兵を回収していくが、警戒することが無駄であるが様に帝国軍は全く動かず遙か遠くから観察しているだけであった。
その様な時間を生かしてロボス元帥は今後のことを話し合う為に各艦隊司令官、参謀長を旗艦アイアースへ招集した。普通であれば戦闘中に指揮官が艦隊を離れるなど狂気の沙汰であったが、帝国軍が本気で停戦している以上は危険度は低いと言う事で行われる事になった。
宇宙艦隊総旗艦であるアイアースの作戦室はアキレウスクラスの中ではピカイチの広さと設備を誇っていた。此は宇宙艦隊総旗艦であるために、ロボスが宇宙艦隊副司令長官から宇宙艦隊司令長官に就任した793年に第2次改装を行った際に宇宙艦隊総旗艦に相応しい大規模作戦室を設置したのである。
作戦室にはロボス元帥、グリーンヒル大将、第3艦隊司令官ルフェーブル中将、参謀長ヴォヴェル少将、第4艦隊司令官パストーレ中将、参謀長タナンチャイ少将、第7艦隊司令官ホーウッド中将、参謀長フェアリー少将、第9艦隊司令官アル・サレム中将、参謀長アフメト少将、第11艦隊司令官ドールマン中将、参謀長アドリアンソーン少将がスタッフを引き連れ集結していた。各艦隊では副艦隊司令官が残留し不測の事態に備えていた。
皆が揃った事を確認するとグリーンヒル総参謀長が話しはじめる。
「今回集まって貰ったのは、此からの事についてです」
余りにアバウトな話しに皆が怪訝な表情をする。
「此からの事と言いますと?」
余りのアバウトさに一番の常識人であるドールマン中将が質問する。
「打つ手がないと言う事だろうな」
そう言いながら手の平を返して顔を顰めるパストーレ中将。
「D線上のワルツ作戦が失敗に終わった以上、これ以上の犠牲を出す前に撤退するべきでしょう」
一番の年嵩のルフェーブル中将が眉間に皺を寄せながら呟く。
思慮しているのか目を瞑りながら顎髭をさする
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