暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第一章 土くれのフーケ
魔剣 デルフリンガー
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ってるのよ!?思いっきり外してるじゃない!」
「う、うるさいわね!あなただって一発で終わらせるって言ったくせに泥人形は少し焦げただけじゃない!?」
「む・・・す、少し火の加減をし過ぎただけよ!次で決めてやるんだから!」
「お前らーーーー!!!何やってんだ!!!少し周りを見ろーーーー!!!」
状況を理解してない、というか状況を無視しているといっても良かった。二人はまだ言い争いを続けており、それを見た架の方でも何かが爆発したように大声を上げた。
「何よカケル!少し黙って・・・」
「ちょっとダーリン!うるさいって・・・」
こちらに抗議をしようとしたところでようやく事態に気付いたようであった。二人とも目の前のゴーレムに唖然としている。そんな二人に架は駆け寄り「ちょっと失礼!」と言った。
「きゃっ!?」「えっ!?」
小柄なルイズを右腕で抱え込み、自分よりやや背の高いキュルケの手を左手で握り、その場から離れるべく一気に駆け出した。二人が何か言っているようだけど聞いている場合ではない。あのゴーレムの狙いが壁を壊すことならここは危険すぎる。一刻も早く離れる必要があった。
「乗って。」 「っ!タバサか!」
上空から声が聞こえたと思ったら架たちの前に青い竜が舞い降りた。タバサの使い魔である風韻竜、シルフィードだ。
タバサに手伝ってもらいまずは二人をシルフィードに乗せた。二人とも妙に顔が赤いが、それも気にしてられない。
最後に架が飛び乗り、シルフィードが飛び立つのとゴーレムの拳が壁を打ち砕くのはほぼ同時だった。
幸い間に合ったようで、壁の破片が辺りに飛び散る前に一向は上空に避難することに成功した。
「一体、何が・・・?」「土くれのフーケ。」
ルイズの呟きにタバサがポツリと答えた。その時、ゴーレムが開けた壁の穴から誰かが出てくるのが見えた。フードを被ったその姿は、架とルイズが昼間見たチラシの人物に間違いなかった。
フーケは四角い箱を抱えておりそのままゴーレムに飛び乗った。一瞬チラリとこちらを見るが、すぐにゴーレムに指示を出す。
ゴーレムがゆっくりと学院の外へ撤退していくのを架たちはただ見ていることしか出来なかった。
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