暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第一章 土くれのフーケ
魔剣 デルフリンガー
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ジェンスソードとは簡単に言うと意思を持った剣のことである。誰がどういう意図で作り上げたのか分からないなど、謎の多い代物だ。
と言っても、実はハルケギニアにおいて口を利く武器というのは別段珍しいわけではない。現に心底驚いているのは架だけで、後の皆は声の正体が剣だと分かると「なんだ」という感じになっていた。

「おでれーた!誰かと思ったらお前さん、『使い手』か!」
「は?『使い手』?」
「まあ、いいや。とりあえずお前さん、俺を買え。」
「あ、ああ。ルイズ、これを買おう。」
「ええ、でも・・・」
「その剣だったら金貨100でいいですぜ。」
「さあ架、それを買うわよ!」

 値段を聞いた瞬間、今までの不満が嘘みたいになくなっていた。イカン、うちのマスターが一瞬『赤い悪魔』に見えてしまった・・・。
 若干げんなりとした架に「俺っちの名は『デルフリンガー』様だ!よろしくな兄弟!」と剣が挨拶してきた。

 こうして架は、これから少し長い付き合いになる相棒、デルフリンガーと出会ったのであった。





 その日の夜
 「なんでさ・・・。」とここ数日使わなかったはずの親友の口癖がでた。(もう俺の口癖でいいか・・・)
 ため息をつく架の背中にはデルフリンガー、横には本を読むタバサ、そして、

「こうなったら決闘よ!!」
「望むところよ!!」

 目の前には激しく火花を散らしながら睨み合うルイズとキュルケ。どうしてこうなった・・・。

 事の始まりは、武器屋を出てからだった。突然キュルケが「折角だから少し見て回りましょうよ!」と言いだした。

「カケルは城下町初めてなんでしょ?だったら私がいろいろ案内してあげるわ!」
「ちょっと!カケルは私の使い魔なのよ!?手を出さないでよね!」
「何よ、あなた用はもう終わったんでしょ。ならいいじゃない。」

 後から聞いた話だが、どうやらルイズのヴァリエール家とキュルケのツェルプストー家には因縁があるらしい。まあその理由がツェルプストー家が代々ヴァリエール家の恋人を奪ってきたという馬鹿らしいものだったが。
 故にルイズもキュルケにだけは犬一匹取られるのも屈辱らしい。・・・って俺は犬か!?

 結局ルイズも付いていくと言い、さらにタバサまで同行を申し出た。理由は「二人だけじゃ心配」だそうだ。ありがとうございます。
 途中で服や食べ物を見て回ったりしてそれなりに有意義な時間を過ごせたのだが、ルイスの方はキュルケが歩いているときに俺に腕をからませてきたり、「この服どうかしら?」「次はあそこに行きましょう!」と話すたびにルイズのイライラメーターが上昇していった。そして、休憩がてらに立ち寄った喫茶店のような場所でキュルケが自分のパフェを俺に「はい、あ〜ん!」とした瞬間にその
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