暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第一章 土くれのフーケ
魔剣 デルフリンガー
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「それが剣の相場ってヤツでさあ。」
ムムム、と唸っているルイズに架が口を開こうとしたとき、突然店の扉がバンッと開かれた。
「話は聞かせてもらったわよ!」
「キュ、キュルケ!?」
そこに立っていたのはキュルケとルイズよりも小柄な青色の髪をした女性――――タバサであった。
「な、なんでアンタがココにいるのよ!」
「タバサのシルフィードに乗せてもらったのよ。」
「そうじゃなくて、なんでここに来たのかってことよ!」
「ふ、決まっているじゃない・・・」
と、ビシッとルイズを指さしてキュルケは言った。
「この私を差し置いて、ダーリンとデートをするなんて許されるわけないでしょう!!」
「な、なあ!!?べ、別に私は・・・」
当初の目的はただ剣を買いに来ただけなので、全くのキュルケの勘違いなのだがついつい顔が真っ赤になってしまうルイズ。否定しようとするのだが、動揺のあまりうまく話すこともできない。
「でも見た所、ダーリンにプレゼントも買ってあげられないみたいね。かわいそうに、私なら剣の一つくらいすぐ買って・・・」
「いやあ、悪いんだけどキュルケ、やっぱりこの剣は要らないな。」
「「「えええ!!?」」」
驚いたのはルイズ、キュルケ、そして店主だった。タバサは一連のやり取りを一切無視して本を読み続けている。
「どうしてよカケル!?こんなに立派な剣なのに!」
「そうよ、お金なら私が出してあげるわよ!」
「そ、そうですぜ!なんだったら少しくらいまけてもいいですし・・・」
三人の思い思いの言葉を聞いても架は首を横に振った。
「今持ってみて分かったんだが、この剣は見てくれを重視しすぎてる。重心がバラバラで耐久力が大分落ちてる。多分、岩でも叩き切ろうと思ったら一発で折れちゃうんじゃないか?」
「そ、そんな・・・」
店主が絶句する中、「それに、」と付け足す。
「例え本物の業物だったとしても、俺には似合わなさすぎるよ。俺にはいっそ・・・」
と、隅に方に乱雑に置かれたものの中から錆びついた一本の剣を取り出した。
「これくらいが丁度いい。」
「ええ〜、ダーリンだったらきっと似合うわよ〜!」
「そうよ、せめてそんな錆だらけのボロ剣よりもっといいのが・・・」
「おうおう言ってくれるなあ!娘っ子共!!」
不意にあげられた声にその場がシーンとなった。男の声だが、発したのは架でも店主でもない。全員の視線は架の持つ剣に注がれた。
「人(?)が寝ている横でギャーギャー喚きやがって!うるさくってしょうがねぇ!」
「け、剣がしゃべった!?」
「・・・インテリジェンスソード。」
タバサも本から顔を上げ、ポツリと呟いた。
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