暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第一章 土くれのフーケ
魔剣 デルフリンガー
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い?」と店の店主らしき親父が話しかけてきた。
「最近、この辺りで噂になってるんだよ、『土くれのフーケ』が出るって。」
「『土くれのフーケ』?」
ルイズも寄ってきて聞き返した。
「ああ。トリステインの貴族ばかりを狙う盗賊さ。トライアングルクラスのメイジらしくてな、どんなに強固な壁も錬金魔法で土くれに変えちまうってんでそう呼ばれてるんだよ。」
「ふ〜ん。」
あまり興味がなさそうなルイズ。
ちなみにトライアングルというのはメイジの能力を表すクラスの一つであり、火、水、風、土と四つある系統を幾つ足せるかで決まる。一つの系統しか使えないものは「ドット」、二つの系統を足せるものが「ライン」、三つが「トライアングル」、四つが「スクウェア」と呼ばれる。
さらに補足だが、ギーシュのクラスは土の「ドット」、コルベールとキュルケは炎の「トライアングル」である。ルイズは・・・ゲフンゲフン!
と、ここで親父さんは「ここだけの話なんだがよ・・・」と小声で続けた。
「フーケは今、魔法学院を狙ってるって噂もあるぜ。」
「えっ!?」
流石に聞き逃せなかったのか、ルイズが驚いた反応を示した。
「何でも、魔法学院にある宝物庫にスゲーもんがあるらしくてな、そいつをフーケの奴がめを付けたらしいぜ。」
あんたらも貴族みたいだけど気をつけなよと言って親父さんは仕事に戻っていった。
それからしばらくして、二人はようやくやや古そうな武器屋に到着した。
「へい、いらっしゃい。・・・おや、貴族の方がこんなところに来るとは珍しい。」
中に入ると、薄暗い室内に剣や槍、さらには甲冑などの防具が所せましと並んでいた。
店の奥にはパイプをくわえ、眼鏡をかけた初老の男がおり、来客が貴族だと気付くと目を丸くしていた。
「どう、カケル。気に入ったものはある?」
「う〜ん、そうだなあ〜・・・」
と、ぐるりと店内を見渡しながら困った表情で架は答えた。
確かに架は剣を扱うが、正直彼は剣についてそれ程詳しくはない。見ただけでそれがいい剣かどうかなんて判断が付かなかった。
「お客さん、剣をお探しで?それならこれなんてどうですかい。」
悩んでいると店主の初老の男が一振りの剣を差し出してきた。
その剣はまさに黄金の剣だった。刀身は金色に輝いており、鍔の部分には大きな宝石が埋め込まれていた。見た目だけならこれ以上立派なものはあるまい。
「この店一番の業物でさあ。かの高名なゲルマニア一の錬金術師、シュペー卿が鍛えたまさに至高の一品ですぜ。」
「確かにすごそうね。おいくらなの?」
「新金貨なら3,000ってとこですかね。」
「た、高っ!?立派な屋敷が庭付きで買えるじゃない!」
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