28:蛇の贈り物
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この事件、もしかしたら《笑う棺桶》が絡む可能性があるんだってな? オレがユニコーンの情報を仕入れた情報屋から聞いていたが」
突然、突拍子も無い別の話題に少々戸惑いつつも、ラフコフという単語に恐怖と悪寒を抱きながら頷く。それを見たデイドは、シッシッと手を振りながら嘆息した。
「勘違いすんな。オレもあのマジキチPKギルドの連中は腹の底から嫌いだが…………だが、たった一つだけ賛同できることがある」
「……賛同、ですって? それは、なんなの……?」
「……………」
恐る恐る尋ねたわたしに、デイドは一度伏せた目を猛禽類めいた輝きでギラリと細め、長い舌で口の端をペロリと舐めた。
「――目的の為には、手段を選ばないところだ」
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「…………っ」
それにわたしはこくりと息を呑んだ。
「あなたは……ラフコフに興味があるの?」
「……あぁ? 冗談じゃねぇ!」
デイドは肉食獣の顔から一転、驚きそれに変え、すぐに苦虫を噛んだかのように嫌悪感を隠さぬ顔をしてペッと唾を吐いた。
「だから違うっつってンだろ? 俺が評価してるのは、あくまであの貪欲でひたむきな姿勢だけだ。だが、その目的が殺人とかマジで頭狂ってるとしか言いようがねぇよ、マジで。殺人者になっちまったら……これからの人生を生き残るも、ゲームを楽しむも、攻略もクソもねぇからな。ハッ!」
最後にデイドは大きく失笑した。どうやら本当に彼もわたし達と同じく、ラフコフを毛嫌いしているようだった。
「そういや、ひたむきな姿勢といえば――……おっ?」
言葉の途中、ポーンというシステム音が響きデイドの口の動きを中断させた。
恐らく手元の薬品がろ過し終わり、調合が完了したみたいだった。
デイドはポーション用の小さな薬瓶を取り出して中に薬品を注ぎ始め、三本分満たしたところでビーカーは空になった。デイドがその小瓶を指先でタップしてシステムウィンドウを表示させる。たぶん、完成した薬品の効能を確認しているのだろう。
「……チッ」
が、結果は意外。どうやら芳しくなかったようだ。舌打ちと共に、再びその顔が苦虫を噛んだかのように顰められる。
その途端、その手に持っていた三本の小瓶がこちらに放られた。
「わあっ!?」
慌てて反射的に、宙を飛ぶ三本全てを受け取れたことに、自分でびっくりしてしまった。
「な、なにするのよっ?」
「アスナ、テメーにくれてやるよ」
「ど、毒なんて、わたし要らないよー……」
「毒じゃねぇよ! よく見てみな」
わたしは言われるがままに指で小瓶をタップして効能を見てみる。
それはHPが回復する、見慣れた効能のただのポー
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