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箱庭に流れる旋律
特別編
歌い手、デートする ニンジャver
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ていろんな衣装を着てきましたけど、さすがに女装の経験はないんですから」
「似合うと思うっスよ?女装も」
「そんなのが似合っても、嬉しくないです・・・」

 よく言われましたけどね、元の世界でも。企画性を求めてそう言う仕事を持ちかけられたこともありますし。さすがに無理だと思って全部断らせていただきましたけど。

「まあなんにしても、そういうわけでさっきのが終わってからはプレイヤーとしても歌い手としても暇になってしまったわけです。そして、突発的だったので何の予定もなく、かと言って何もしないのも日本出身としては落ち着かなくて・・・」
「確かに、何かしていたいという欲求は高い国なのかもしれないっスね。ちなみに、自分ももう今日は暇っス」

 それはちょうどよかったです。

「じゃあ、このままどこかに行きませんか?あんまりレヴィちゃんと二人で話す機会とかないですし」
「お、いいっスね。自分と奏さんのデートっスか」
「あー・・・まあ、そうなります、ね」

 言われてみれば、確かにそうとも取れますよね、これ。全然考えが及ばなかったです。

「勿論、僕なんかが相手でよければ、ですけど」
「大歓迎っスよ。立場的には主従なので、自分の方が相手でもいいのかって感じっスけど」
「レヴィちゃんみたいな可愛い子が相手なら、僕も大歓迎です」
「さらっと言うっスねぇ・・・意外とたらしの才能もあるっスか?」
「・・・・・・」

 言ってから、気づきました。そして、大分恥ずかしいことを言ったなぁ、と後悔しています。
 たまにこうなるんですよね・・・ステージの上での自分と混ざると言いますか・・・あそこで作っているキャラが表に出てきてしまうと言いますか・・・もう諦めてはいますけど、困ったものです。

「かと思ったら、顔を赤くして黙っちゃったっスね。無自覚だったんスか?」
「はい、無自覚でした・・・というよりは、言ってから気付いて、そこを指摘されてもうダメだ・・・って感じでして」
「あらら。それは悪いことをしたっスね」

 僕自身が悪いので、何とも言えないところです。
 そんな会話をしてから、二人で並んで歩き始めます。特に目的があるわけでもないので、まずは大通りに出る方向で。

「そういえば奏さんは箱庭に来る前は歌手として活動してたんスよね?」
「一応、そうなりますね。自分でいうのもなんですけど、結構人気もありました」
「だったら彼女とか、そうでなくとも告白されたことくらいはあったりするんスか?」
「そう、ですね・・・」

 ちょっと思い出したくない部類なんですけど、いつかは乗り越えないといけないことではあるんですよね・・・
 いい機会ですし・・・よし。

「彼女はいなかったですけど、確かに告白されたことはありますよ。バ
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