キメラテック・フォートレス・ドラゴン
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スは黒く塗りつぶされて、忘れない様に手書きで名前を書いた一枚のカードを。
「昔、オレが助けれなかったオレの最初のメインデッキのエースカードだ。あの頃のオレは精霊を見ることは出来ても、精霊界に渡る術を持っていなかった。その結果、こいつは死んでしまった。精霊が死滅すれば過去、現在、未来、どの時間軸においても死滅し、記憶からも消滅する。仲間との絆は取り戻せる。だけど、精霊の死はどうやっても覆すことができない。オレは、もう後悔したくないし、誰かが悲しむことも無く忘れ去られる存在を救いたい」
サイ・ガールと出会うまでのオレの相棒だったこいつは赤き竜の力を扱えなかった遊星達の代わりにオレと共に地縛神に挑み、敗れ去った。そして地縛神に封じられ、命を削られて死んでいった。何度も輪廻を繰り返すオレは記憶を失わずにすんだが、カードリストからも人々の記憶からも消え去ってしまった。あの時程自分の無力さを恨んだことは無い。
「精霊のカードを手にするとは、その精霊の全てを受け入れるということでもある。かなり大きな力を持たない限り、死滅してしまえば忘れてしまうだろうけど、この事実だけは覚えておいてくれ」
相棒のカードをホルダーに戻すと、立ち上がっていたツァンもイスに座り直す。
「……ごめん。知らなかったとは言え、無神経なことを言って」
「気にしてないさ。知らなかったんだからな。今度からは気にするだろうから、覚えておいてくれ」
その後、空気を変える為に里に住む者達を紹介して周り、オレはダルクの家に泊めてもらうことになった。
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