キメラテック・フォートレス・ドラゴン
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化しないさ。オレが持っている分はコピーカードだ。本来の力はほとんど無い上に行使する為にはオレのサイコ能力を全開にする必要がある」
「サイコ能力っていうのはあのカードを実体化させた能力のことよね」
「そうだ。能力の強さによって実体化させれるランクは異なる。オレは最高峰とも言えるランクのおかげで殆どのカードを実体化させれる。さすがに神のカードを実体化させるのは疲れるがな」
その点、装備カードや魔法、罠は楽だ。意志を持たない者ばかりだから楽に力を振るえる。まあ精霊界でしか使う機会が無いけどな。
「他に聞きたいことはあるか。無いならここの案内をしようと思うんだが」
「まあ今すぐ聞いておきたいことは、いえ、もう一つだけ。どうしても聞いておきたいことがあるわ」
「なんだ」
「何で、何で今まで黙っていたことを私に話したのよ。変な目で、軽蔑すらされるかも知れない様な秘密を話したのよ!!」
「ツァンには話しておきたかった。それが理由だ」
「それだけじゃあ意味が分からないわよ!!」
「そうだ、な。うん、最初はやっぱり女子寮での決闘が印象的だったな。あの場にいた誰よりもツァンは目立った。風格や覇気と言ったものではなく、誰よりも素直だった。めんどくさそうにあの場にいて、オレとよろしくする気も無かった。それが『図書館エクゾ』を見てから他の三人と違った反応を見せた。反感や嫌悪を見せるのではなく、ただ自分の力を試してみたいと言った感じにな。こっちに来てからそういう反応を見せる人をあまり見なくてな、気になった。それが縁でそこそこ話す様になって居心地が良かったんだ。だから制裁決闘のパートナーになってくれたのは本当に嬉しかった。まともな友人がいないアカデミアで、自分の身を顧みずに助けてくれたのが本当に嬉しかった。この時代には仲間と言える存在がサイ・ガールしかいないオレにとって、それはどんなことよりも嬉しいことだった」
「なんでよ?いざとなれば元の時代に戻れば良いだけじゃない」
「……無理なんだ。まったく同じ世界に戻るということが」
「え?」
「他の時間に飛ぶということは、若干の差異を産み出すことになる。その若干の差異は時が経てば経つ程大きくなる。そこに有ったはずの絆は失われていたり、逆に深まっていたり、予想も出来ないことが起こる。その若干の差異に干渉されなかったのがサイ・ガール達、次元サイキック族だけだった。未来に戻ればオレはまた周りを理解し始めることから始めなければならない」
「貴方馬鹿じゃないの!!たかが精霊の宿ったカード一枚に自分のことを投げ打って」
興奮して立ち上がるツァンに一枚のカードを突きつける。絵柄はほとんど消えて薄らと形が分かるか分からない程度の線だけで、枠も灰色、テキストやステータ
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