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ハイスクールD×D 〜聖人少女と腐った蛇と一途な赤龍帝〜
第2章 滅殺姫の憂鬱と焼き鳥の末路
第40話 絶体絶命
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……」
「申し訳ありませんがこれを使わせてもらいましたわ」
と言ってライザーの背後に立っていたレイヴェルが小瓶を掲げた。イッセーたちは気付かなかったでしょうけど上空から見ていた私達は気付いたわ。光の槍を喰らってから氷龍が着弾するまでの僅かな間にレイヴェルがフェニックスの涙をライザーに振りかけるのを。あれがなければ部長が勝っていたでしょうね。
「リアス、以前君に言ったことは取り消そう。なかなか強力な眷属たちだ。俺もレイヴェルがとっさに涙を使わなければ負けていた。強いよ、お前らは。あと1年、いや半年修行を積んでいれば確実に俺が負けていたな。だが今回は俺の勝ちだ。運がなかったと思って諦めろ」
確かにあそこでもうちょっと早く氷龍を放っていれば勝っていたもんね。
「火織、そろそろ私達も行くかにゃ?」
「もう十分皆の修業の成果は見れました」
黒姉と白音が私にお伺いを立ててきた。見れば龍巳ももう手を出してもいいかという表情でこちらを見上げてる。っていうか黒姉でも龍巳から隠れることは出来なかったか。観戦室の魔王様たちも私たちの居場所把握してるのかな? まあそれは今は置いといて……確かに皆の腕っ節の方は見れたからここでもう私達が出て行ってもいいんだけど……やっぱりもうちょっと様子を見ようかな。
私はまだよという意志を込めて首を左右に振った。
「どうしてですか? 火織姉様」
「確かに修行の成果の方は見れたんだけど……もう1つ見ておきたいものがあるのよ」
「それは……何かにゃ?」
「心の強さよ」
☆
「まだだ!」
へたり込んだ私達の目の前にイッセーが、イッセーだけが私を守るようにして立ち上がってくれた。でも……
「イッセー、やめて。もう……」
フェニックスの涙はもう使ってしまった。その上私と朱乃はそれで回復した魔力も全て使ってしまったしライザー相手にずっと剣を交えていた祐斗の体力ももう限界、レイナーレだって先程の槍を創るのに増幅された全ての魔力を使ってしまって体の方が限界。もう私達には戦う力が……
「まだです! 俺は体力の方はじっとしてたから残ってますし魔力だって倍増すればまだ戦えます!」
「ふん、お前からはもう、いや最初から殆ど魔力なんて感じられないがな。ここまでどうやって生き残ってきた」
「気を付けてくださいお兄さま。あの方の左手につけているあれ、
赤龍帝の籠手
(
ブーステッド・ギア
)
らしいですわ」
「……なるほど、そういうことか。なら先ほどの堕天使の攻撃も奴の譲渡の力か」
イッセーの手の内ももうバレてる。もう本当に勝ち目は……
「イッセー、もう……もう本当にいいのよ。これ
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