第一部
第三章 パステルカラーの風車が回る。
綱手
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がネジくんに聞く番ですね」
不思議そうな顔をしたナルトの前でヒルマが立ち上がり、優しく笑った。
「ネジくんは誰に理解されなくたっていいと思っているように『自分を思い込ませてる』。でももしかしたら彼は本当は誰かに理解されたいのかもしれません。――ヒナタさまへの仕打ちで彼を罵倒することから始めるより、彼の考えを理解することからはじめるのはどうでしょうか。罵倒するのは、それからでも遅くはないでしょう?」
+
「具合はどうだ、マナ?」
「あ、大分よくなりましたっス……ありがとうございます、綱手さま」
マナの頭くらいはある大きな胸と、二つに結われた金髪。額に描かれた青い菱型の模様。纏った衣服の背には「賭」の一文字――
初代火影、千手柱間の孫にして伝説の三忍の一人、長い間医療忍者界から姿を晦ましていた天才的な医療忍者の姿だ。自来也や大蛇丸と同い年――つまりもう五十代頃であるにもかかわらず、その外見は肌理細やかであった。
「まだちょっと微熱があるみたいですけれど……でも大分よくなっていますね」
「ブヒィ」
マナの顔を覗き込んだ黒髪の女性の名はシズネ。綱手の付き人だ。その腕に抱えられているのはトントンという、忍豚である。サクラといのがシズネの背後で嬉しそうに笑いあった。
「日向ヒルマ、だったか? あんな優秀な医療忍者がいるとは木ノ葉もまだ捨てたもんじゃないな」
「ええ。あんなに若いのに、すごく手際もよかったし、今回の中忍試験では彼が試験参加者の医療を担当していたようですしね」
綱手・ヒルマ・シズネ。化膿したマナの腕を治療したのはこの三人だった。自来也に連れてこられた綱手とシズネは、ヒルマと共に見事マナの怪我を治して見せたのである。その豊富な医療に関する知識からユヅルに適した薬物の調合も始めているそうだ(ただし、調合にはかなり時間のかかる代物であるらしい)。
――綱手さまなら、きっとリーさんの手足も治してくれる
期待に目を輝かせるサクラにいのも微笑し、「後でキバに伝えないとね。紅丸に会えなくてマナも寂しいでしょう」とマナに向かって悪戯っぽく笑いかけた。
「はい……ありがとうございます、綱手さま」
礼を言うマナの姿に綱手が僅かに微笑んで見せる。穏やかな微笑ではあったが、ヒルマの描写するマナが使用したあの不可思議な術を思い出し、内心はあまり穏やかとは言える状態ではなく、そしてそれはシズネもまた同じだった。
+
最愛の弟縄樹、そして恋人加藤ダン。あの二人が死んでから綱手は血液恐怖症になり、シズネと共にあてもなく各地をさ迷い歩くようになっていった。
そんな時会いに来た同期である自来也が、ジャシンやら暁やら、木ノ葉に迫る危険を如何に説いても、綱手は血液への恐怖から忍びに戻
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