第一部
第三章 パステルカラーの風車が回る。
綱手
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たのか?」
「ええ。柔拳の実力だけならネジくんの方が上ですし、それにこの間カカシさんにヒルマは柔拳さえもっと強ければ直ぐに上忍になれるとか言われて悔しいし」
「カカシ先生ってばそんなこと言ってたのか……」
むくれた顔をするヒルマにナルトは呆れたような顔をしながら、担当上忍を脳裏に思い浮かべた。試験が終わって直ぐ修行をつけてくれるよう頼み込んだのに彼ときたら、サスケの修行をつけにいってしまったのである。エビスがかわりに修行をつけてくれることになったのはいいものの、彼は始まって間もなくエロ仙人こと自来也にやられてしまい、自来也が修行をつけてくれることになったと思いきやその自来也でさえ今は自分でやれと言う。やれやれだってばよとため息をつくナルトにヒルマが微笑んだ。
「……今日は気が進まん。また明日だ」
暫くナルトをにらんでいたネジが、やがてナルトから目を逸らしてぽつりと呟いた。すたすたと足早に去っていく姿にナルトはムッとした顔をし、ヒルマが苦笑する。
「なんだよあいつ、気にいらねー。予選でもヒナタのこと散々変われないだとかなんだとか言ってやがったし」
「まあまあ……そういう人生観の持ち主ですからね」
「……じんせーかん?」
「ええ。人生に対する見方、とでも言ったらいいのでしょうか。彼にとって人生とは運命に支配されたものであり、人間の能力も言動も一人の生き様も死に様も、運命に支配されて決して変わることはないものなのです」
顔を顰めるナルトに、ヒルマは説明してきかせる。その笑顔は先ほどのそれのように朗らかではなかった。
「ゲジマユが、宗家と分家には宗家に有利な掟があるとか言ってたけど、それ、なんなんだってばよ?」
ふとリーの言葉を思い出しながら聞いてきたナルトに「そうですねえ」とヒルマは顔を顰めて、それからため息と共に額宛てを取った。
その下にあったのは不思議な絵柄だった。呪印ですよとヒルマが言いながら指先でそれをなぞる。
「これ、ですね。これは分家の脳細胞を破壊することが出来、分家の死後にはその白眼の能力を封印する能力も持っています。白眼の秘密が外に流出しないようにという、ね」
しかしネジがそれだけの理由であそこまでヒナタを嫌っていたとはあまり思えず、怪訝な顔をしたナルトに、ヒルマはちょっとだけ考えてから、いった。
「ネジくんのお父上とヒナタさまのお父上、つまりヒザシさんとヒアシさまは双子の兄弟です。つまり、呪印がないって以外はそっくりです。その為にヒザシさんはヒアシさまの影武者となった――ということがありまして」
「……なんで、影武者にならなくちゃいけなかったんだってばよ?」
「……僕はわりとお喋りな方ですし、今ももう喋りすぎちゃったと思いますけど。でもこれ以上はナルトくん、君
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