第四話
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」
次々と知らない単語が出てきて理解不能になっていく俺だが、まあ持っていないと危ないのかもしれない、ということくらいは分かった。それに、何か出会いもあるらしいし。その……ロア、というものとの。
「そう。コードを読み取ることでお兄さんを助けてくれるの。……ためしに、そのDフォンのカメラを、あっちの猫さんに向けてみて?」
白い少女がさす先には、さっきの黒猫がいた。
俺に対して用語解説をしてくれる気配はない。そして、俺は何故かまともな思考ができない状態にある。おそらく、だから。もしくは、その縁というものの、運命というものの力で。
俺はそのカメラを向けることに対して何か嫌な予感を覚えていたのに、それでもそこに縁があるのなら。その縁をつないでみたいと。そう思っていた。
何か新しい刺激を求めていたのかもしれない。
平和で明るい、ときめき学園生活ができれば大満足、とか思ってたはずなのに、おかしな話だ。
だから、俺は言われるがままに、それがどんな意味を持つのかも理解しないで、Dフォンのカメラを、校門の上で寝ている黒猫に向けた。
直後。
ピロリロリーン♪
何かを読み取ったような音がして、我に返る。
「今のは……?」
「ふふふっ。きっと、お兄さんを助けてくれるロア。ただ……」
「ただ?」
「殺されなかったら、だけど」
その言葉には、なぜか真実味があった。
ただ、「殺されなければ助けてくれるかもしれないね」という真実を告げているだけなのだ。
殺される、か……え、殺される?
「ちょ、どういう意味!?」
一気に身の危険を感じたのか、声が上ずっている。が、白い少女はそんな俺を見てくすくすと笑うだけで、何も答えてはくれない。
「なあ、どういう意味なんだ!?」
「どういうも何も、そのままの意味。……じゃあね?」
「ちょ!おい!?」
慌てて少女の肩を掴もうとするが、その手はするりとすり抜けてしまう。
透明だったりという不思議現象ではなく、ギリギリのところで一歩だけ足を引いて、俺の手を空振りさせただけ。しかし、それがより一層、彼女が只者ではないという事を表している。
「君は、一体……」
何なんだ、と聞く前に少女は笑いながら告げた。
「私の名前は、そうだね……姉さんがヤシロだから、ラインで」
「ライン、ちゃん……でいいのか?」
今決めました、って感じの名前に対して疑問を持っていると、彼女……ラインちゃんはくすくすと笑って。
「ばいばい」
と、顔の横で小さく手を振って……
「カミナ?おーい、カーミナー?」
と、俺のすぐ前に先輩がいた。身長差的に顔の前に顔が、という事にはなっていないが、俺がしゃがめばすぐにでもそうなる
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