第四話
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いたんですけど……」
「校門に女の子?幾つくらいの?」
「多分、小学校低学年くらい……って、あれ?」
まだいるだろう、と思って先ほどの場所を見てみるも、そこにはもう誰もいない。周辺にもその姿は見えないので、まるで最初からいなかったかのようになっている。
……その真実がどうなのかは、考えないようにしよう。怖いし。
「あーっと、いた気がしただけかもしれないです」
「ロリっ子がいた気がする、ってのも考えようによっては危ないんだけどな?」
「そう言ういい方しないでくださいよ。なんだか危険人みたいじゃないですか」
「確かに。でも、もしそうなんだとしたら私にとっては危険人物、ってことにならないかい?」
「大丈夫です、俺は狼になる気はないですから」
こうして気軽に話してくれるのがとてもありがたい。おかげで俺はかなりリラックスできている。ニヤリ、という表現が似合う笑みを浮かべている先輩を見ながら、俺は再び惚れ直した。
俺の片思いの相手である亜沙先輩。前記のとおりここ八霧高校の生徒会長をしている亜沙先輩は、その子供っぽい見た目から商店街なんかに行くと色々ともらったりもする。家はお金持ちなんだけど、ああいうところが好きなんだそうで一人暮らしをしている今はよくあそこで買い物をしているんだとか。俺も何回か荷物持ちとして付き合ったけど、その度にお店のおっさんに軽く睨まれる。人に愛されやすい体質なのだ。とてもいいことである。
「で、こんな時間まで部活かい?せいが出るねぇ」
「言え、部活自体は早めに抜けてきたんですけどね。狭いんで、終わった人から抜けてくかどこかに行ってないと邪魔になりますし」
「確かに、去年ライフルが団体で全国大会に出たのとカミナがブロック予選に出場したおかげか、大分部員も増えたっけか。いくつか申請出すかい?」
「場所よりも、部費の方をお願いしたいですね。射撃に必要なものはどれもこれも高いですし」
「りょーかい。実績のある部だし、少なくとも来年分には反映されるはず」
と、そんなありがたいことを言ってくれた。確かに、スタートが県大会なだけあって実績はあるので、これは遠慮せずに受け取っておくとしよう。
「そういうわけだから、また上の大会目指してな。そっちの方がやりやすいし」
「了解です、亜沙先輩。頑張ればそれだけ先輩の評価も上がると見て、頑張ります」
「素直でよろしい!頑張りたまえ、後輩君!」
バンバンと背中を叩きながら笑っている先輩。そこまでいたくはないし、こういう触れ合いの様なものは好きだ。
この喋り方と壁の無い感じから誰とでも仲良くなったりするのだけれど、そう言うところを含めて好きなのだから、もうどうしようもない。人気者を好きになってしまった以上、これも試練の一つだろう。
「で
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