第二話
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「ああ、未来が夢で視えるとか、そう言うの?」
「うん。予想にすぎないんだけど、元々予知夢を見たって言う人がいて、そういう事を研究する分野が生まれて、『こうこうこういうものを夢で見たらそれは死の予兆である』みたいな話が出て………で、繋がったんじゃないかな、って」
ふむ………まあ、噂って言うのは尾ひれがつくものらしいし、そうやって大きくなっていくのだろう。
「でも、実際にそんな目にあったらそこで終われるのか?その場でその人に殺されたり、追われたり………それこそ、殺されるまで殺される夢をみそうなものだけど」
「うん、そう言うパターンの物もあるみたい。で、今回のもそうだったみたいでその夜にはまた夢を見たんだけど………なんかね、途中で起こされちゃったんだって。妹に『こわいからトイレに一緒に来て………』って」
「………え?そんなんでいいの?」
何ともあっけない方法である。ここはこう、知恵を絞って逃れるとか、協力者を見つけるとか、なんかそう言う手段をとる物じゃないのか?
「でも、さ。こう………これからお前はこうやって死ぬんだぞー、怖いだろー、っていうのを見せようとしたところで目を覚まされちゃったら、ね?」
「あー………確かに、よっぽど殺したい相手でもないとわざわざもう一度、とはならないよな」
相手が意図して行ったものなら、やり直したとしてもそこまで恥ずかしくはないだろう。しかし、第三者の手によってそれが途切れたのだとしたら………気まずいかもしれないな、うん。
「で、結果としてその少女はもう夢を見ることもなく、平和に暮らしているのでした。みたいな感じに」
「………意図的に夢を見せてたやつがいたのなら、そいつも空気を読んだりするんだなぁ………」
「意外と都市伝説の怪物も話してみるといい人なのかもしれないね?もしそうなら、会ってみて、お話して、お友達になりたいかも」
ティアはそう言うと「ケホケホ」と口元に手を当てて咳き込んだ後、そのまま「クスクス」と笑う。俺もそれにつられて小さく笑った。
「ティアはなんだか、そう言う怪物的なやつらとでも仲良くなれそうだよな」
「カミナ君も、ね。そう言う『普通じゃないもの』に好かれそうだよ?」
「相手が美女美少女なら、お化けでも大歓迎かなぁ………」
「ふふっ、そうだと思った。このスケコマシさんっ」
「ティアさんや、俺は硬派ですよ?」
「はいはい。ふふふっ」
キーンコーンカーンコーン。
と、ティアの笑い声とチャイムの音が重なった。
「あ、時間ですね………じゃあ、また休み時間に」
「おう、また休み時間に」
ティアはそう言いながら俺の席を立ち、その足で三枝委員長の下に向かう。
そこで「皆も後で面白い話をしよう」と言ってから自分の席に戻っていく。
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