第二話
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うパターンだけど………こう、『そんなの気にしない気にしない!』みたいな感じでそのまま進んでいって、結果夢の通りに殺されちゃうの」
「前向きになったらそこで殺されるって………より一層衝撃的だなぁ」
「うん………でも、『え………』とか思ってる間に、みたいなこともあるかもよ?」
「現状を理解できていないうちに、ってことか」
ふむ、恐怖を感じずに済むのであれば、それはそれでいいことなのかもしれない。
「もう一つの場合は?」
「うん。そっちはなんだか怖くなっちゃって別の道を通ったり、お迎えを呼んだり、予定を変えたり………なんにしても、『その夢の通りに行動しない』の。そうすれば結果として殺されずには済むんだよね」
生き残りたければ臆病になれ、と言う事なのだろうか?言葉を選んで慎重になる、の方がいいかもしれない。
「まあなんにしても、良かったじゃないか。怖い思いもせずに済むみたいで」
「ふふっ………いつ、怖い思いをせずに済むっていったかな?」
「え?まだ続きがあったり?」
「うん。それで、夢と違う行動をとってると、ふとある人が視界に入るの」
まあ、誰かしら視界に入るのは仕方ないのではなかろうか?街中では普通に人がいるだろうし、田舎でも人とすれ違うことくらいはあるのだから。
「前から歩いてくる人だったり、目の前にいる人だったり。で、『誰だろうな―この人、見覚えあるんだけど………』と考えていて、ふと思い出すわけですよ。『あ、私夢の中でこの人に殺されたんだ』って」
ん?ちょっと話が恐い方向に移り始めたぞ?
夢で自分を殺した人に現実で出会う、とは………
「それで、気づいたその人はどうするんだ?」
「その本人は何も。『そんなこともあるよなー』くらいに。夢とはもう場面が違うんだから、とかの安心感もあるのかな?なんにしても、そこまで気にしないみたい。でも、そうではないわけでして………」
お、そろそろオチが来るのかな?
「その人のことに気付くと、そこでその人が行動をとるの。その人は夢を見た人の方を見てこういうわけです。『夢と違う事をするなよ』………って」
本来なら多少なりとも恐怖が浮かぶのだろうけど、ティアがニコニコと楽しそうにしているのを見ると和んでくる。ティアは本当に癒し系キャラだよな、うん。
ティアの方もそこまで驚かせるつもりだったわけでもないようで、にこにことしながらこっちを見ていた。
「で、それが出たみたいなの」
「ん?出た?」
出た、と言うのもまた不思議な表現だ。
『似たような場面に直面した人がいる』なら分からなくもないが、これではまるでそんな事件が発生したみたいではないか。
「うん。お隣の市にすっごい進学校があるでしょう?」
「確か………私立翠緑
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