第二話
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話してたのか教えろ』という表情だ。もちろん、分かっているさ。話しても大丈夫そうな内容だし、美少女とのトーク内容を独占しようとは思わないさ。そう言うわけだからアレク、ぶつぶつと呪いの言葉っぽい物を呟くのをやめろ。
ティアはこの性格から聞き上手だと思われがちだが―――事実、それもあるんだけど―――話すのが上手く、大好きな子なのだ。その知識の分野はかなり広いため大抵の話題にはついてきてくれるし、知らないことでも興味を持って話に付き合ってくれる。そして、そういう子に対してこの年頃の男子は弱いものである。
だからまあアレクに限らず男子の中でも人気があるし、そうでなくとも病的なイメージや儚げなイメージからそれを守ろうと息巻く女子たちもティアの周りに集まってくる。
なんだかんだ、このクラスで男女どちらの話の中心になっているのがティアなのだ。
で、そんな彼女の朝の一時を独占しているのが俺なのだ。おかげでこの光景はクラスでも毎日の恒例となり、男女ともに視線を集める結果となっている。
何でも『カミナ君って優しそうだし、話しててもこっちが欲しい反応を返してくれるから………』だそうだ。
気に入ってもらえるのは何よりだし、そう頬を赤らめて言ってもらえたのだから嬉しいことこの上ない。
「それで、その都市伝説に何かあったのか?」
「うん、何かあったの」
「それはそれは」
良くある話だと思うが、俺も小学校時代なんかはその手の怪談話にドキドキハラハラしていたものだ。夜にトイレに行くのが怖くなったり、風呂で髪を洗っていると後ろに誰かがたっているように感じたり。とはいえ、姉さんが俺以上にそう言うのを怖がっていたおかげが落ち着くのも早かったんだけど。
もしそうでなくても、それらが作りものであると分かればどうせ落ち着いていただろうし、今ではこうして話題に出せるまでになっている。昔みたく怖がったりすることはないだろう。
さて、今はもう五月。そろそろ暑くなり始める時期ではあるし、怪談話をするのもありかもしれない。多少のフライングも、ティアが楽しそうに話してくれるのなら気にもならないし。
「それでね………!」
と、よほどこの話をしたいのかティアが机に手をついて身を乗り出し、その胸が少し揺れる。大変眼福であったのだが………そんな俺の視線に気づいたのか、ティアは少し顔を赤くして引っ込んでしまった。
「カ、カミナ君。今………」
「えっと………ごちそうさまでした」
「うぅ………」
ティアはそう言いながら顔を伏せてしまったが、コホン、といつもとは違う咳をして、こちらを見る。
「話を戻します」
「はい、どうぞ」
俺の主義として、先ほどのような場面ではある程度本音を言うことにしている。
勿論、実行に移してし
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