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Zero Connect Online
1・始まり
一章・疑念
Beginning
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本人がそう言ってるんだからいいんだろ」
和人は明日奈に笑って言った。
そんな和人に明日奈は呆れたような顔をした。
「ねぇ、お兄ちゃん」
「ん?どうした、スグ?」
和人が明日奈と話していると、直葉が和人のコートの袖を握った。
「その名取さんってあの人?」
「は?」
和人が直葉の指差した方を見ると、和人にゲームを渡し、何処かに行った名取の姿があった。

「何やってんだよ、名取」
「よ、よぉカズ」
名取は和人に気づくと、右手をあげた。
「実はな……お前に頼みがあって」
「は?またかよ」
「ああ。しかも今回のは、かなりやばい」
名取の表情から深刻さを感じ取った和人は、周囲を見回し、名取と明日奈、直葉を連れて近くのカフェに向かった。
「それで、内容は?」
和人は席に着くと同時に尋ねた。
「カーディナルの『クエスト自動作成システム』は知ってるか?」
「当たり前だ。世界中の伝説を翻訳、融合して、独自のクエストを作り上げるシステムだろ?」
「ああ。それがZCOにも組み込まれてたんだ」
名取の言葉に和人だけでなく、明日奈も表情を引き締める。
「どういうことだ?」
「わからない。今日の正式サービス前に俺の知り合いが試したところ、見たことないクエストが入ってたんだ」
「それは、その人の見間違いではなくて?」
明日奈が名取に尋ねる。
「それはありえない」
しかし、名取は首を振る。
「なぜなら、ZCO内のクエストを作ったのがその知り合いだからだ」
「でも、大量に作った場合、忘れることなんてあるんじゃないか?」
「見たら絶対に忘れないような個性的なクエストだったんだ」
「クエスト内容は?」
名取は小さく息を吐き、口を開いた。
「ある街に出現する『聖騎士』の討伐だ」

和人と明日奈は息を呑んだ。
「恐らく、ヒースクリフだ」
そして、名取がそう付け加えた。
「確証は?」
和人が聞くと、名取は
「銀髪に赤い鎧、これだけで充分だろ」
と言った。
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