第十三話 立花中尉!野球は九人でするものだ!その三
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「目的の為には手段を選ばないしな」
「本当に酷い人だな、その人」
「何か悪田部みたいね」
女の子の一人がよりによって本人の名前を出した、彼が悪人であるということはもう日本どころか全世界の常識なのだ。
「それだと」
「ああ、近いよ」
ここでも悪田部本人とは言わない尚智だった。自分と防衛大臣が知り合いとわかると何かと厄介なことになると思ってだ。
「というかそっくりな奴だよ」
「あのレベルの悪人が他にもいるのね」
「世の中広いだろ」
真実を隠したまま言う尚智だった。
「だからそうした悪人もな」
「いるのね」
「悪田部クラスが」
「それで御前と知り合いか」
「それはまたえらい人と知り合ってるな」
「そうだろ、そうした奴とな」
真実を隠したままだ、尚智は言っていく。
「俺は知り合いでな」
「その悪い人に教えてもらったんだな」
「そうなのね」
「そうだよ」
尚智は笑ったまま言う、そして。
その話からだ、クラスメイトの一人がこう言った。
「そういえば最近な」
「最近?」
「最近?どうしたんだよ」
「この学園の制服また追加されるらしいぜ」
八条学園のそれがというのだ。
「今度は空自さんみたいな」
「空自さんっていうと」
「確か」
皆航空自衛隊と聞いてこう話した。
「青だったよな」
「そうそう、濃い青の制服で」
「ラインは白」
「あと帽子は制帽とね」
それとは別のその帽子はというと。
「サンダーバードの略帽」
「あれがあったな」
「そうそう、略帽がいいのよね空自さんって」
「本当にサンダーバードで」
「あの帽子も追加されるらしいんだよ」
実際にというのだ。
「空自さんの制服と一緒にな」
「俺あれ買おうかな」
「俺もな」
男子生徒のうち何人かがその話を聞いて言った。
「空自さんの制服格好いいからな」
「それに略帽もな」
こちらもいいというのだ。
「それじゃあな」
「あの制服着るか」
「そうするか」
「あっ、そういえばあれだよな」
尚智も空自の制服の話を聞いて言った。
「自衛隊ってそれぞれのカラーあるな」
「空自さんは青でな」
このことは今ここで話されている通りだ。
「陸自さんは緑でな」
「それで海自さんが黒か」
「そうなっているんだよ」
クラスメイトの一人が尚智に話す。
「本来なら海自さんも青だけれどな」
「マリンブルーか」
「けれどマリンブルーって濃いだろ」
「それで濃くなってか」
「黒になったみたいだな」
海自だけでなく全ての海軍がそうだ、その軍服は黒なのだ。
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