憎悪との対峙
39 危険な違和感
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せよ、本人に聞くのが一番手っ取り早いわ。もしわざとやってるようなら、止めさせないと危険よ」
「そうね…」
ハートレスはキーボードを叩き、映像を終了させる。
もはや全てが分からないことだらけだった。
考えれば考える程に底なし沼に沈んでいくような間隔に襲われた。
Valkyrieの目的も突然、彩斗がスターダストになったことも偶然とは思えない。
そして、あらゆる面において人間では無くなっていく彩斗。
コーヒーを飲んだばかりだというのに思考が止まって眠りに落ちそうになるのを感じた。
自然と目蓋が降りてくる。
だがその様子を見て、アイリスはクスっと笑った。
「何よ?」
「さっきも思ったけど、あなたもそんな顔するんだって。それにあなたもあなたでサイトくんを心配してくれるんだと思って」
「!?…バカ言わないで」
そう言ってハートレスはアイリスから顔を背けた。
しかしそれと同時に左上のモニターに分析結果が表示され、ハートレスの視線はすぐにそちらに移った。
「これは?」
「電波変換シュミレーター」
「シミュレーター?」
「そもそも私たちはあの子をスターダストにしたトラッシュのことを何も分かってなかったわ。それに人格データを失っているせいで口も聞けない上、調べようにもプロテクトが掛かっていて詳しいことまでは調べられなかった。だからせめて電波変換した場合、どんな影響があるのかっていう点から何か分からないかと…え?」
実験結果を見たハートレスは顔色を変えた。
「どうしたの?」
「残存エネルギーの量が大き過ぎる…だとすると…まさか…!」
ハートレスは今まで見たことが無いくらいに慌て始め、エレベーターの方へと走った。
アイリスはそれにわけも分からずについていく。
電波変換の影響のシュミレーション、つまり彩斗への影響をシミュレーションしたということだ。
アイリスの頭には彩斗の身体に何かあったのでは無いかと嫌な想像が沸き起こる。
「どうしたっていうの!?」
「あの結果からすると普通の人間と電波変換した場合、脳波に作用して闘争本能を刺激、更に肉体をシステムに適したものに変化させる…」
「そんなことしたら肉体には相当な負担になるわ!」
「それだけじゃないのよ…もしこの考えが正しいなら…」
エレベーターが2階のリビングに到着するとすぐさま階段を登り、彩斗とメリーが眠る4階へと向かう。
トラッシュという道の電波体と融合した彩斗への影響は未知数だ。
シミュレーションの結果で導き出された悪影響だけで済むとは限らない。
ハートレスは自分の予想が外れていることを藁にもすがる思いで祈った。
だがその期待は次の瞬間、打ち砕かれた。
「何の音…?」
「…急ぎましょう」
階段の途中で凄まじい音が聞
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